看護師のドリッツァ・タビソラ=ヌエスカ氏(54歳)は、5万ドルという学生時代の借金の残額に苦しみ続け、常にアメリカ本土で仕事を探し、もっと手ごろな場所への引っ越しを考えていたが、このほどハワイ州のローン免除プログラムに選ばれたことでハワイにとどまることができることになった。
ホノルル・スター・アドバタイザーの報道によると、ハワイ州が新しく推進している医療従事者向けの教育ローン返済プログラム(HELP)では、第一弾として492人のハワイの医療従事者の学生ローンが免除される。タビソラ=ヌエスカ氏は、そのうちの一人に選ばれた。
教育ローンは多くの人に重くのしかかっている。タビソラ=ヌエスカ氏は、生活費の足しにするため、10年前に夫のロドニー氏とともにミリラニの3ベッドルーム、2バスルームの家を売却し、現在はカリヒの賃貸に住んでいる。
州議会が資金を提供した3000万ドルのローン免除プログラムは、現職知事としてはアメリカで唯一の医師でもあるグリーン知事が推し進めたものだ。同知事は、ハワイ島のカウで国民保健サービス隊を通じて医師としてのキャリアをスタートさせた。奇しくも22日(金)、53歳の同知事は30年前の自身の学生ローンを完済した。
HELPの目的は、医療従事者を故郷であるハワイにとどめ、また2024年のグループには、島とつながりのある人々を州外からハワイに呼び戻すことにある。7月から8月にかけて募集が開始される予定だが、追加で1000人もの医療従事者が2年間、それぞれ5万ドルの借金を補うのに十分な資金がある。
整形外科医のポール・モートン医師(38歳)も、HELPに助けられた一人だ。ワヒアワ生まれコナ育ちの同医師は、ハワイにゆかりのある医療従事者を増やし続けることは、特に近隣の島々では非常に重要だと語る。「近隣の島で育ち、近隣の島で開業している者としては、この島では医師が非常に不足している。ホノルルとは大違いだし、病気の患者にとってはかなり恐ろしいことだ。病気の患者は、専門医はおろか、一般医に診てもらうのも大変な状況にある」。
HELPの詳細および応募についてはこちら。
https://www.ahec.hawaii.edu/hawai%CA%BBi-help/
シェアする
(日刊サン 2023.12.27)