レッドヒルの燃料施設の廃棄が最終段階に入り、海軍が長い後始末と閉鎖プロセスに備える中、米軍はレッドヒルなしで広大なインド太平洋の作戦をどう支えるかを検討しているとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
米軍が前進する一方で、中国の軍事知識人やアナリストの一部では、緊張が高まる中、この地域における米軍の兵站を注視する向きもある。中国の出版物「現代艦船」の2023年9月号には、「もし日本軍が真珠湾の石油貯蔵タンクを破壊していたら」と題する18ページの記事が掲載され、1941年12月7日の奇襲攻撃と大日本帝国の戦略的思考について検証している。
米国防関係シンクタンク「Defense Priorities Foundation」のアジア・エンゲージメント・ディレクターであり、ブラウン大学の客員教授でもあるライル・ゴールドスタイン氏によると、これは最近、公開されている中国の軍事雑誌に掲載された、大日本帝国のオアフ島奇襲攻撃を検証するいくつかの記事のうちの一つだという。歴史上の戦いを検証するのはよくあることだが、「こうした記事を最近5、6ほど見つけているが、不安になってくる」と語っている。
ゴールドスタイン氏は、ハワイやグアムのような場所が紛争における潜在的な標的であるかどうかについての言及は、「単なる理論的なものではなく、これらは壊滅的な影響をもたらす可能性がある」ということを思い起こさせるものだと語った。
国際貿易の3分の1以上が行き交う南シナ海では、緊張が高まっている。中国はこの水路全体を自国の排他的主権領域だと主張し、同じくこの地域で領有権を主張する近隣諸国の船舶を攻撃してきた。米軍側は、この地域でほぼ絶え間なく「航行の自由」作戦を展開している。こうした活動には何百万ガロンもの燃料が必要で、大規模な紛争が発生した場合、その需要は増大する可能性がある。
ワシントンD.C.にあるハドソン研究所の上級研究員で、ミサイル防衛と軍事兵站を専門とするティモシー・ウォルトン氏は、「米軍には、インド太平洋の燃料貯蔵タンクや海上タンカー、油田船が十分にない。今回のレッドヒル危機以前から、国防総省は国防燃料支援ポイントのネットワークに複数の課題があることを認識していた」と語る。
レッドヒルの水源危機は、国防総省がハワイ諸島をこれまで以上に重要視している時期に、軍指導者とハワイ住民の関係を緊張させ、軍の作戦や建設計画は、地元当局者や地域団体からより厳しい監視を受けるようになった。ゴールドスタイン氏は、「米海軍はレッドヒルの老朽化した施設の適切なアップグレードを怠り、今そのツケを払っている」と語っている。
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画像:stock.adobe.com / Grispb
(日刊サン 2023.12.26)