【ハワイニュース】米海軍水道システム汚染問題 ホノルル水道局「数千人が体調不良訴え」
米海軍の水道システムに石油系燃料が漏出し、水道水が汚染された問題で、ホノルル水道局(BWS)は「汚染された水道水を飲んだ人のうち、体調不良を訴えたのは数千人に昇る」と述べた。BWSは汚染水の影響について、「現在考えられているよりも広範囲に及ぶ」との見方を示している。
「海軍レッドヒル燃料タンク一時使用停止命令」に関する公聴会では、BWSの弁護士、エラ・フォーリー・ギャノン氏が、「海軍および一般の住宅に水を供給するタンクの下にある、帯水層の一部が汚染された」とし、「汚染水を飲んだ5,000人以上が体調不良を訴えた」と述べた。米国務省によると、海軍水道システムの水から「ガスのような臭いがする」という報告が400件以上に昇ったという。
海軍は燃料タンクの永久的な使用停止を避けたい考えで、貯水槽や水道管などを洗浄するため、600万ドルの費用を投入し、25箇所に工業用浄水器を設置した。海軍の弁護士クレイグ・ジェンセン氏によると、軍はその他にも、1,300万ドルを投じて従来よりも大きいGAC(粒状活性炭)フィルターを設置し、水道水汚染の原因となったレッドヒル水道システムを洗浄している。
一方、水溶性でない石油成分はパイプに粘着する傾向があるため、すべてのパイプから汚れを落とすことができるかどうか、懸念を示す当局者もいる。BWSのプログラム管理者、アーウィン・カワタ氏は「全ての汚れを除去することは難しいと思う」と述べた。
燃料タンクの一時使用停止命令に関する公聴会は、27日夜まで続く予定。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2021.12.22)