年末に向け、相次ぐ違法花火の打ち上げが問題視されていると、ハワイニュースナウが報じている。
リック・ブランジャルディホノルル市長は19日、警察署長、消防署長、ホノルル救急医療センター長らが連名した声明で、「違法花火の取り締まりには住民の協力も不可欠」と述べ、「すべての違法花火を阻止し、新年を安全に祝うことができるよう」住民に促した。
現在、違法花火がかつてないほど横行しており、花火の打ち上げが原因の山火事の発生が問題視されている。昨年は花火に関連した火災通報が16件に上った。市長は、「知性を働かせ、節度を守り、責任を取ることを忘れてはならい」とし、退役軍人、高齢者、動物は特に花火の音や光に敏感であると強調した。
ベトナム戦争に従軍した米退役軍人で70歳のマーカス・デヴァレンティノ氏は、現在もPTSDに苦しめられているという。エヴァビーチに住むデヴァレンティノ氏は、「かつての戦闘で聞かされた爆撃の音と非常によく似た花火の音も多い」と話し、突然花火の音を聞くと心拍数が上がり、心臓に負担がかかる可能性があると不安を訴えた。
違法花火が原因の死亡事故も起きており、昨年は、ワヒアワ在住の28歳の男性が花火で顔が吹き飛ばされて死亡、今年7月の独立記念日には、コナ在住の男性が花火を撒き散らすランチャー花火で頭を撃たれて死亡した。
ドノバン・デラ・クルスハワイ州上院議員によると、昨年から、州は違法花火の取り締まりを強化したが、今年は州内で約1.4トンの違法花火が没収された。そのほとんどがボートハーバーで発見されたという。
クルス上院議員は「背後には花火を介した金銭的な取引がある」と話した。
HPD(ホノルル警察署)によると、過去2年間で、違法花火に関連した検挙が13件、通報が150件に及んだ。ジョー・ローガン署長は住民に対し、違法花火の打ち上げを目撃した場合、写真やビデオを撮った上で、911に通報するよう協力を促している。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.12.20)