【世界のこぼれ話】4ドルの花瓶がオークションで10万7000ドル バージニア州
バージニア州リッチモンドで、スリフトショップ「グッドウィル」に売られていた3.99ドルの花瓶が、なんとオークションで10万7100ドル(約1530万円:143円/ドル換算)で落札されるという「宝くじ」のようなドンデン返しが起こったとAP通信が伝えている。
ジェシカ・ヴィンセントさんは、今年6月、グッドウィルの棚で、クアグリーンとアメジストパープルのリボンが、まるで絵の具の縞模様のように螺旋を描いてガラスの表面を覆っている花瓶を見つけた。よく見ると、底面に「Murano」と「Italia」の文字が書かれていた。
もともとは転売するつもりで買ったわけではなかったが、調べてみて、その考えは変わったという。フェイスブックのガラス工芸のグループに写真を投稿し、すぐにムラーノガラスの非公開グループに参加した。花瓶の底に書かれた「ムラーノ」は、13世紀以降ガラス工芸で有名だったベネチアの島を指していた。この花瓶は、有名なガラス会社の「ヴェニーニ」社によって製造され、1978年に亡くなったイタリアの建築家カルロ・スカルパによってデザインされたものだった。
そして13日(水)、この花瓶は「ライト・オークション・ハウス」を通じて10万7100ドルで落札された。買い手は、匿名希望のヨーロッパの一流コレクターだという。
「セントラル&コースタル・バージニア・グッドウィル」の広報担当であるローラ・フェイソン氏は、その花瓶の品質と商品が売れるスピードを考えると、棚に置かれていたのはほんの2日か3日だったようだと語った。各店舗は1日平均約2000個の新商品を扱っており、車のトランクに入れっぱなしだったといったものも多いという。「誰かがおばあちゃんの地下室を掃除して見つけたのかもしれない。その花瓶の出処について、おそらく知ることはないだろう」
ライト・オークション・ハウスは、この花瓶の取引で約2万3600ドルを、ヴィンセントさんは約8万3500ドルを受け取ることになるという。
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画像:Jessica Vincent
(日刊サン 2023.12.19)