米国住宅都市開発省が15日(金)に発表した「2023年ホームレス評価報告書」によると、アメリカ国内のホームレスの数は過去1年間で12%も急増し、なかでもハワイは慢性的なホームレス状態にある人の割合が最も高いことがわかった。
ハワイ・ニュース・ナウの報道によると、今年1月のある夜の状況で、ハワイ州のホームレスの76%以上が路上や公園、車の中にいるのがわかり、カリフォルニア州やオレゴン州を抜いて最も高い数字となった。また、ハワイでは、ホームレスの若者が屋根のない場所に滞在している割合も全米で3番目に高かった。
保健及びホームレス委員会の委員長であるデラ・オウ・ベラッティ州議員は、この数字に失望していると述べた。「立法府は、路上で見られる慢性的なホームレスに対処するための行動危機管理センターの必要性を認識し、薬物乱用や精神衛生上の問題を抱えた人々を安定させる必要があるとし、そのコンセプトに同意していた。しかし、そのための資金を得られなかった」
住宅費の高騰とパンデミック支援の終了により、シェルターや仮設住宅、避難所で生活する人の数は記録的なものとなった。また、多くの人々が居住の場所や手段を失いホームレスとなった。
しかし、ハワイでは、全国的に見られるような急激な増加は見られない。 全国的にはホームレスの数は12%増加しているが、州全体では4.1%の増加に留まった。これは、地元のサービスが、より広範な経済的課題の影響を最小限に抑えるのに役立っていることの表れである。
また、退役軍人のホームレスは全国で7.4%増加したが、ハワイでは横ばいだった。ホームレスの家族数は、全国で15.5%増加したが、ハワイ全体では4.7%、オアフ島では約2%の増加だった。
シェルターを運営する「インスティテュート・フォー・ヒューマン・サービス」のエグゼクティブ・ディレクターであるコニー・ミッチェル氏は、「慢性的なホームレスの原因は、第一に、ハワイでは人々がシェルターなしで暮らせること、第二に、ハワイでは家賃が非常に高いこと、第三に、必ずしも生活賃金が支払われない雇用市場があることだ」と語っている。
ジョシュ・グリーン州知事は、メンタルヘルス治療を含むホームレス向けの一時療養施設の計画を推進するなどの取り組みを行っており、「私たちのモデルによって、4年後にはホームレスの数を50%削減できるだろう」と述べている。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.12.18)