新型コロナウィルスの新規感染者数が減少してハワイでも様々な規制緩和が行われ、いよいよハワイ経済が回復に向けて大きな一歩を踏み出そうとしていた矢先、オミクロン株が出現して世界各国は一斉に海外旅行に関する規制を開始した一方、アメリカ国内ではインフレで価格が高騰している。
これらが重なったことがハワイ州の経済再建に影響を及ぼしているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ハワイ大学の経済専門家は、オミクロン株の世界的な感染の広がりはハワイ州の経済再建にとってリスクとなり、新しい旅行規制は海外からの訪問客がハワイに再び戻ってくる時期を遅らせたと報告書の中で述べている。
ただし、ハワイ州内における高いワクチン接種率と新しい治療方法は重篤化を減少させ、住民の健康を守る上で良い材料として評価している。
ハワイ大学経済研究所(UHERO)は「ハワイ州経済の潜在的な経済基盤は強いものがあるが、新型コロナウィルスはすぐには無くならないということが明らかになった今、コロナのリスクに対応していく努力が経済回復の鍵となるだろう」と報告書で述べている。
UHEROでは、ハワイ州経済は今年5.8%、来年は2.7%、2023年は3.6%という低い伸び率となると予想している。
また、海外からの訪問者数の伸び率は、今年149.2%、来年は22.8%、2023年は12.5%、2024年は2.7%と予想している。
失業率については今年7.7%、来年は5.4%を予想しており、インフレ率を考慮した個人所得は今年0.8%上昇予想だが、来年は5.7%減少と予想している。
インフレ率は今年3.9%、来年は3.8%を予想している。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2021.12.17)
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