ハワイでは、年末年始に向けて低所得者層の食糧不安が広がる中、約600枚にのぼる電子給付送金(EBT)カードへの不正利用が起きていることがわかった。これは、最近報告された数の2倍以上にあたるとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
サイバー犯罪のターゲットになっているEBTカードは、連邦政府の補助的栄養支援プログラム(Supplemental Nutrition Assistance Program:SNAP)のデビットカードで、11月上旬、ハワイ在住のSNAP利用者から、EBTカードから金が盗まれたという最初の報告があった。SNAPは「フードスタンプ」の名でも知られており、低所得世帯に毎月食費補助のために給付金を提供するプログラムだ。
当初、このプログラムを管理する州福祉局(DHS)は、主にホノルルの都市部で少なくとも242枚のEBTカードが漏洩したと報告していたが、13日(水)時点でその数は592件にまで増えている。DHSによると、大半の566件(約96%)はSNAP給付金の全額または一部の交換を受けたが、7件(1%)は拒否され、19件(3%)は審査中だという。
DHSは、声明にて、「原因はまだ特定されていないが、EBTカード所有者は、小売店のレジやATMでカードを利用する際に注意する必要がある。また、カードリーダーにスキミング装置や改ざんの跡がないか、異常がないか目視で確認してほしい」と述べた。さらに、すべてのEBTカード所有者に、用心深く、定期的にカード残高をチェックし、異常な取引がないかを確認するよう注意を喚起している。
EBTカード所有者は、使用していないときはカードを停止し、オンラインや州外での取引をブロックすることができる。
異常な取引や給付金の紛失に気づいたEBTカード所有者は、できるだけ早くDHS処理センターに出向いて報告し、SNAP給付金とカードの交換申請を提出することが推奨されている。連邦法では、カードのスキミング、クローン作成、その他の詐欺行為によって盗まれたSNAP給付金を補償するよう各州に義務付けている。
一方、ハワイ・フードバンクとそのパートナーは、ホリデーシーズンが始まるにつれてニーズが増加していることを目の当たりにしており、特にオアフ島でのニーズが高まっている。関係者によると、春には、フードバンクは平均12万人にサービスを提供していたが、この2カ月で約14万人に増えたと語っている。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.12.15)