ハワイ王朝の末裔であるアビゲイル・カワナナコア王女(96)が11日(日)の朝、ヌウアヌの自宅で静かに息を引き取った。翌日発表されたその訃報に、州内の多くの場所で半旗が掲げられたとKHON2が伝えている。
王女は晩年、2億ドルを超える財産の管理権をめぐり、長期間にわたって裁判で争っていたが、2017年に発作を起こした後、最終的に裁判官は、王女には財産管理能力はないとの判断を下した。
しかし、その結果が出される前に、カワナナコア王女はハワイアン先住民に対する財政支援の約束をしており、イオラニ宮殿では200万ドル以上の寄付を受け取っているという。
イオラニ宮殿を運営している非営利団体「フレンズ・オブ・イオラニ・パレス」の代表、ポーラ・アカナ氏は、「王女はどこに寄付をすることもできたが、イオラニ宮殿を選んだ。宮殿の全てを愛しており、王女自身にとっても、ハワイにとっても、宮殿は大きな意味を持っていると考えていた」と述べている。
王女はさらに、非常に価値のある宝石や芸術作品を宮殿の展示用に寄付しているという。
「展示用にということで、宮殿の保管庫にしまわないよう条件が付けられた。王女は人々に見てもらい、学んで欲しいと考えていた。素晴らしいことだ」
王女は、ビショップ・ミュージアムにも多額の寄付をしている。
同ミュージアムの歴史家でキュレーターでもあるデソト・ブラウン氏は、「2006年から2013年のハワイアン・ホール全体の改築の際、大きな額の寄付を受けたが、王女は多くの個人にも財政支援を行っていた。ハワイの伝統を受け継ぎ、守っているということで、多くのハワイアン先住民の人々が定期的に支援金を受け取っていた」と述べている。
カワナナコア王女は、ハワイ最大の土地所有者と言われたジェームズ・キャンベルの曾孫でもある。
ジェームズ・キャンベル社は、書面で次のように発表している。
「当社にとって非常に誠実な支援者であり、株主だったアビゲイル・ケカウリケ・カワナナコア氏の死を心から悼む。王女は、人生を通して、ハワイアンの人々のチャンピオンでもあった」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.12.13)