ジョッシュ・グリーン知事は、アロハ・スタジアムとその周辺のエンターテイメント地区の再開発に関し、数十億ドルの官民一体プロジェクトをこのまま進めるように指示を出したとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
デービッド・イゲ前知事は、民間企業を排除し、予算3億5千万ドルの州政府プロジェクトとすることで、スタジアム建設計画の簡略化を図ろうとしていたが、これをグリーン知事が覆すことになる。
しかし、官民のパートナーシップがうまくいくかどうかは未知数だ。
再開発の調査や、開発企業の選定基準、一般市民からの声を聞くためなどにすでに200万ドルが費やされていたが、イゲ知事が今年9月に今後のプロセス中止を発表していた。
イゲ前知事は、官民のパートナーシップという形がは非常に複雑でリスクが伴うとして、民間企業を排除し、州としてのスタジアム建設に十分な予算があると主張していた。
これに対してグリーン知事は、スタジアムが迅速に開発されれば、住民がその恩恵を受けることができると述べている。
「民間の力を州の事業に用いることが私のやり方だ。開発を始めなければ、得るものは何もない。商業地区からの賃貸収入も、税金の徴収も発生しない。土地を利用しなければ、何も手に入れられない」
およそ90エーカーのスタジアムとその周辺の開発コンセプトは、民間企業からの財政援助を受けてスタジアムを建設する代わりに、エンターテイメント地区や商業地区、その周辺の住宅開発を行う権利を与えるというものだ。
このプロジェクトには、20年以上をかけて数十億ドルの投資が行われることになる。
知事は、「新しい雇用をここで創生し、また、海外から多くの人々が訪れる場所にしたいと考えている」と述べている。
スタジアムはまた、ハワイ大学フットボール部や地元のスポーツイベントだけでなく、国際的なスポーツイベントを開催し、観光客を呼び寄せることも可能だという。
知事は先週、開発を管轄するスタジアム局(Stadium Authority)と州の主要メンバーを招集し、プロジェクト前進のために全関係者が協力して今後の方針と問題点の洗い出しをするよう求め、来月には今後の進め方を決定するよう指示した。
一方で、州下院議会財政委員会の会長を務めるシルヴィア・ルーク副州知事や、下院議長のスコット・サイキ議員は、この方針に疑問の声を上げている。
「スタジアム開発が、ホノルル鉄道にように納税者に多くの負担を強いるようなものになるのは避けたい。スタジアム建設がこの予算で収まるという保証はない」
また、水道や下水道などのインフラ整備にかかる費用も不透明な状態だ。
これに対して知事は、納税者の負担と建設期限は必ず守ると表明しており、2万5千席のスタジアムを2027年に完成させるとしている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.12.12)