ハワイ島のマウナ・ロアが噴火し、溶岩が流れる様子は本当に息を呑むような光景だ。
多くの人々が現地を訪れて、その様子を写真やビデオに収めている。
噴火を目撃した記念として家族や友人に見せたり、ソーシャルメディアに投稿したりするためのものがほとんどだが、もしそれらを販売しようと思っているなら注意が必要だとKHON2が伝えている。
ハワイ州フィルム事務局によると、これらの写真やビデオを販売して利益を得る場合は、商業使用目的ということになり、撮影許可が必要になるという。
同事務局のドナ・ドーソン局長は、「商業利用の写真やビデオを撮るには撮影許可が必要だ。ハワイ州フィルム事務局が撮影許可を管理しており、過去50年にわたり、州内の撮影活動のルールを管理監督している」と述べている。
商業目的の撮影には、事前に同事務局から許可を取得する必要があり、撮影の1週間前には申請することが望ましいという。
許可申請をするには、保険に加入していることと、安全に撮影することの保証が求められる。
申請自体はシンプルで、24時間オンラインで可能だ。
「撮影者が突然現れ、好き勝手に撮影するというような事態を抑制する必要ある。撮影許可を持たない人々が危険なことをして何かあったら、管理体制の不備で州が裁判に訴えられることになる。撮影許可制度は、責任の所在を明らかにするために必要だ」
また、知的財産権の問題もある。
知的財産法に詳しいジュリア・ボロットマン弁護士は次のように語っている。
「撮影して販売するには土地所有者の許可が必要だ。サドル・ロードから撮るならハワイ州の許可が必要だし、公園内であれば、国立公園なので連邦政府の許可が必要になる。これは法律に定められており、違反すれば処罰の対象となる。しかし、知的財産権と撮影許可はまた別の問題だ。写真やビデオの知的所有権は撮影者が有する。しかし、正規の許可なく撮影した場合には、その作品に対する知的所有権を持っていても、処罰対象となる」
罰金の金額は状況によるが、州土地自然資源局の職員に見つかり、裁判所に出廷することになれば、数千ドルが科される可能性がある。
国立公園の写真を撮るのであれば、国立公園事務所に問い合わせるのが一番だ。公園内を熟知しており、撮影に最適な場所を教えてもらえる。
公園の報道担当者は、「駐車の場所、人混みを避ける方法、州鳥のネネが飛ぶ場所、どこでどのアングルで撮ると顔に日光が当たるかなど、全て知っており、アドバイスできる」と述べている。
マウナ・ロアだけではなく、ハワイ州内での商業撮影には全て許可が必要だ。(私有地を除く)
商業撮影許可の申請はこちらから。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.12.12)