ハワイ州で、住宅や食料、衣服のような生活に最低限必要なものを手に入れることが困難な人々が急激に増加しているという調査結果が発表されたと、ハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
非営利法人「アロハ・ユナイテッド・ウェイ」は人々の経済状況を定期的に調査している。6日(火)に発表した報告書によると、ハワイ州における貧困層は2018年には人口の9%だったが、2022年には15%に増加しているという。
同法人の代表を務めるジョン・フィンク氏は「ハワイ州内で20万人以上の人々が、生活な必要なものを手に入れられない状況の中で暮らしているのです。これは現実です。単に報告書に表れている数字ではありません」と述べている。
島別に状況を見ると、ハワイ島が最も貧困率が高く人口の17%に達しており、カウアイ島は最低で14%となっている。
人種で見ると、ハワイアン先住民族が最も貧困率が高く、27%となっている。また、ハワイ州の44%がALICE層※で、2018年から2%増加しているという。
これは連邦政府が規定している貧困のレベルよりは上だが、生活に必要なものを手に入れることができるほどの収入がない人々を指す言葉で、ハワイ州内では世帯としての収入が75,000ドル(およそ1千万円)に届かない家庭をいう。
「この層の人々は、生きていくために家族や友人から支援を受けているのです」
関係者は、今回の報告書が行政が何らかの対策を早急に立てるきっかけになることを願っているという。
ドナ・ゴンパーツさんもその1人だ。
ドナさんは医療費が嵩んでしまったために現在路上で生活をしている。
「アルツハイマーを罹患した夫の医療費が高額となり、21年間で初めて家賃を滞納するようになってしまいました。本当に悪夢のようです」と述べている。
※ALICE=Asset Limited Income Constrained Employedの略。日本語に訳すと「働いているものの収入が限られている人々」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.12.7)