アラスカ航空による買収合併の計画が明らかにされたことにより、ハワイアン航空の親会社である「ハワイアン・ホールディングス」の株価が193%上昇しているとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
ハワイアン・ホールディングスの株価は、1日(金)の4.86ドルから14.22ドルに上昇した。また、最近の典型的な1日の取引量が200万株から300万株であったのに対し、4日(月)は3540万株に急増した。
株価は大きく上昇しているものの、4日(月)の終値は、規制当局と株主の承認が得られれば、アラスカ航空グループがハワイアン・ホールディングスの株主に12カ月から18カ月後に現金で支払う予定の、合意済みの買収価格である1株18ドルを大きく下回った。
通常、今回のような企業買収取引では、取引の実現や価格の変動に大きな不確定要素がない限り、買収される企業の株価は買収価格近くまで上昇する。ブルームバーグ・ニュースは、4日(月)、一部の株式アナリストが、トレーダーはこの取引が規制上のハードルをクリアできないのではないかと懸念しているのではないかと報じている。
3日(日)に行われた証券アナリスト向けのプレゼンテーションで、両航空会社の経営陣は、1日約1300便を運航する両社の重複する路線が12路線しかないこともあり、反競争問題が規制当局の承認取得の妨げになるとは想定していないことを示唆した。両社はまた、統合されたオペレーションはハワイで50%強の市場シェアを持ち、ハワイの旅行者は、別々のブランドを維持しながらも1つの会社として運営される両社のフライトを組み合わせて利用することで、より多くの本土の都市に行くことができるようになると述べた。
買収価格について、アラスカ航空の最高財務責任者(CFO)であるシェーン・タケット氏は、ハワイアン航空株に1株18ドルで10億ドル(約1470億円)を支払うのは妥当だとアナリストに語った。
タケット氏はまた、ハワイアン航空の負債9億ドルの引き受けを含む19億ドルの価値は、過去12カ月間のハワイアン航空の売上高の0.7倍であることから、この買収は「素晴らしい評価」であると述べた。これと比較すると、アラスカ航空による2016年のヴァージン・アメリカの買収など、過去20年間の他の業界買収5件の平均倍率は1.7倍だった。
両航空会社の株主は2024年初めに買収を承認するかどうかの投票を行う予定となっている。
ハワイアン・ホールディングスの株価は、2022年半ばに18ドル前後で取引されたのを最後に、それ以降は不安定な下降を続けている。過去10年間で、同社の株価は2016年に60ドルに近づいたが、パンデミックによる影響から、2020年初頭には9ドル前後まで下落した。
ハワイアン・ホールディングスの筆頭株主は、ブラックロック社、U.S.グローバル・インベスターズ社、バンガード・グループで、合計で30%以上の株式を保有している。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.12.5)