【ハワイニュース】マウナ・ロア噴火 溶岩の流れは時速15km、先端からハイウェイまで3.6km 4日朝
マウナ・ロア山の噴火により流れ出した溶岩が、遅い速度でダニエル・K・イノウエ・ハイウェイに向かっている。
マウナ・ロア火山の標高は4,170メートルで、活火山としては世界最大。噴火が開始してから今日で9日目を迎える。噴火前の過去数か月間で火山活動が活発化していたため、噴火が差し迫っていることが予測されていた。これ以前の直近の噴火は1984年だった。
ハワイ・ニュース・ナウの報道によると、米地質調査所(United States Geological Survey: USGS)とハワイ郡民間防衛局(Hawaii County Civil Defense: HCCD)が、5日午前9時から記者会見を開き、マウナ・ロアの噴火に関する最新情報を伝えた。
ハワイ火山天文台(Hawaiian Volcanoes Observatory: HVO)のデービッド・フィリップス氏は、4日朝の記者会見で、溶岩は火口にある「3番目の割れ目」から流れていると話した。
4日朝の時点で、溶岩の先端はハイウェイから約3.6キロメートルの距離にあり、時速15キロメートルの非常にゆっくりとした速度で移動している。溶岩の噴出速度は、毎秒約38~76立方メートル。専門家によると、溶岩がいつハイウェイに到達するかについては、地形や流れが変化するため、現時点では推定することができない。
ハワイ島東西にあるコナとヒロを結ぶダニエル・K・イノウエ・ハイウェイは、「サドル・ロード」とも呼ばれている。通行止めになった場合、その迂回ルートが非常に長いものになるため、車両による人々の移動や物資の輸送への影響が懸念されている。
州当局は、溶岩による住宅地への直接的な被害については未だ懸念はないとする一方、付近の住民に対して警戒を怠らないよう呼びかけている。
HVOによると、3日夜から4日未明にかけて最大地震マグニチュード 2.1の群発地震が観測された。フィリップス氏は、「群発地震は、火山内のマグマ溜まりからマグマが「3番目の割れ目」に向かって上昇し続けていることが原因」と話した。
一方、全体的な火山活動は過去数日間安定しており、USGS は航空機の警戒カラー・コードを赤からオレンジに引き下げた。フィリップス氏は、「カラー・コードの引き下げは、島の上空周辺を飛行する航空機や島間を結ぶ民間航空機などへの危険がないことを意味しているものの、一時的な飛行制限は引き続き有効だ」と述べた。
また、現在、噴火の様子を見学しようとする人々で、一部のスポットやハイウェイが非常に混み合っている。
ハワイ郡のミッチ・ロス郡長は、「オールド・サドル・ロードの新しい展望エリアに車が多い」と語った。
同展望エリアが初オープンした今月1日には、2,000台以上の車両が訪れた。その前日には、約4,000台が展望台に続く道路を通過していた。ロス氏は、「展望台へ続くルートの前半分は見晴らしが良いものの、火山の様子は後半分の方が見易い」と話した。
同展望台が開設したことで、ダニエル・K・イノウエ・ハイウェイの渋滞は緩和されたが、HCCDのタルマッジ・マグノ局長は、「ハイウェイは普段よりも時間に余裕を見て利用する必要がある」とする一方、万が一に備えて車からは離れないよう促している.
火山危険区域の詳細についてはこちらまで。
https://hawaii-county-volcano-hazards-hawaiicountygis.hub.arcgis.com
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.12.5)