日本と違いハワイ州では救急車を利用すると料金が発生する。
健康保険によって大半がまかなわれる場合がほとんどだが、それでも料金が発生するということには変わりない。
オアフ島では救急搬送を担当するホノルル市救急医療サービス局の来年度の予算がおよそ900万ドル足りない状況にあるため、救急医療サービス費用の値上げが検討されているとホノルル ・スター・アドバタイザーが伝えている。
ホノルル市救急医療サービス局担当者によると、未払い料金の回収を強化するとともに、救急車を利用しない現場における医療措置などのサービスに対しても費用を請求することを検討しているという。
ここ数年ハワイ州は毎年10%救急サービス費用の値上げをして来ており、救急医療サービスはすでに非常に高額になっている。
2017年から2021年までに間に救急車利用費用は46%値上がりして、一回の利用料金は1,127ドルから1,649ドルになっている。
先進生命維持装置を利用する救急車利用は46%値上がりして、1,265ドルから1,851ドルに値上がりした。
基本料金とは別に搬送距離により1マイルごとに追加料金が加算されるが、その料金も1マイル16.50ドルから23ドルに値上がりしている。
現時点で来年1月にそれぞれ10%の値上げが検討されている。
現在はハワイ州衛生局が運営していた救急医療サービスだが、来年7月1日からは運営権がホノルル市に移行されることになっており、料金についてもホノルル市が決定権を持つことになる。
ホノルル市救急医療サービス局のジム・アイルランド局長は、将来の料金についてはまだ何も決定していないと述べている。
しかしホノルル市議会での説明でアイルランド局長は、カリフォルニア州コントラ・コスタ郡の救急車利用はハワイ州よりも700ドル高く、1マイルことの加算料金も2倍であることを例に挙げており、まだ値上げの幅があると説明している。
ハワイ州では新型コロナウィルス感染拡大による経済的打撃から税収入が激減したために大幅赤字に直面している。
今年6月30日までの2021年年度の会計では、救急医療サービスのコストは4,970万ドルで、利用者(あるいは健康保険)に請求したのは9,200万ドルだが、徴収できたのはその30%にあたる2,740万ドルだ。
写真: Dr. Victor Wong _ Shutterstock.com
(日刊サン 2021.11.29)
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