滑走路をオーバーランし、カネオヘ湾に不時着した海軍の偵察機P-8は、現在も海に着水したままとなっているが、軍が困難な引き揚げ作業を始めたとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
P-8は全長129フィート(約39メートル)以上、翼幅123フィートの哨戒偵察機で、先週からカネオヘ湾内の浅瀬に放置されている。
撤去のスケジュールは明らかになっていないが、海軍と海兵隊の関係者は27日(月)、環境や文化的な場所への追加損傷を最小限に抑えることに重点を置き、入念に作業に取り組んでいると語った。
海軍関係者によると、このP-8には2億ドル(約290億円:147.5円/ドル換算)相当と言われるハイテク偵察機器が満載されているため、今後また飛行させたいと考えているという。
現在は、水曜日に届く予定の、機体引き揚げ用の特別な機材を待っている状態だ。ケビン・レノックス海軍少将は作業方法について、「ひとつは、機体を浮かべて滑走路のクレーンの稼働範囲に入れることだ。そして滑走路の上方に移動させ、まだ状態の良いランディングギアを出して固定する。もうひとつの選択肢は、浮かべてローラーバッグを使い、円形のシリンダーで滑走路に転がすことだ」と語っている。
レノックス海軍少将によると、週末に着水したP-8Aポセイドン機から約2000ガロン(約7570リットル)の燃料が取り除かれたが、その過程で燃料が流出することはなかったという。
27日(月)、ジル・トクダ下院議員は、サミュエル・パパロ米太平洋艦隊司令官とともに、ハワイ海兵隊基地の滑走路からすぐの海域にある現場を視察した。レノックス海軍少将は、「目標は、できるだけ早く、できるだけ安全に航空機を撤去することだ」と語った。また、撤去作業と同時に、不時着の原因調査も進められている。
航空機が湾から撤去された後には、当局は湾の生態系への影響を評価する予定となっている。現在、サンゴの一部が破損している可能性があることは確認されている。州の土地自然資源局によると、被害状況を調査するための立ち入り許可はまだ下りていないが、これは事故であるため、環境破壊に対する罰金を科す予定はないという。
シェアする