ホノルル警察では、警察車両による容疑者車両追跡中に事故が最近起こり、1件は死亡、もう1件は重症という結果となったことをうけ、パトカーでの追跡についてのルールを変更することを検討しているとKHONが伝えている。
2019年、警察車両に追跡された容疑者がアラモアナ・ブルバードで信号待ちをしていた歩行者が立っていたところに車で突っ込み、3人が亡くなったという事件は記憶に新しい。
被害者1人の家族がホノルル警察を告訴し、1,000万ドル(およそ11億3,400万円)の賠償金を受け取っており、その他の告訴もまだ途中だ。
パトカーの追跡による事故は命に関わる問題であるとともに、事故による建物への被害や、多額の税金が使われるという意味で一般人にも大きな問題だ。
ホノルル公安委員会の会長のシャノン・アリヴァド氏は「警察車両による容疑者追跡に関して、問題が明るみに出てきたと思っています。人々の生命に関わる問題であるとともに、納税者として、ホノルル市やハワイ州にかかる莫大な費用(税金)を懸念しています」と述べている。
現在の追跡ルールは、人々や建物に被害を与えるリスクよりも容疑者を確保する必要性の方が上回るかどうかを現場の警察官が判断することになっている。
追跡を開始したら、青色灯とサイレンをつけ、本部に詳細を連絡しなければならない。そしてその後は上官の指示に従うことになっている。
しかしKHONが過去8年間のデータを調査したところ、4分の1にあたるケースで何らかのルール違反が見つかっており、最悪の年には追跡件数の4分の1が追跡された容疑者の車による事故が起こっているという。
ホノルル警察では、先月から警察官がルールを遵守しているかどうかを確認するために、ビデオでの確認を必須とするようになったという。
ホノルル警察暫定署長であるレイド・ヴァニック氏は「今年11月から追跡ルールの見直しをしています。IT部署のアナリストに対して過去の詳細なデータ分析をするように指示をしており、このデータが提出されたらそれを元に今後変更が必要かどうかを決定することになっています」と述べている。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.11.26)
シェアする