【世界のこぼれ話】ワールドカップ会場でアルコール販売禁止 バドワイザーがFIFAに4,700万円の返金を要求
中東カタールで20日から開催中のFIFAワールドカップ・サッカー大会開始の2日前、FIFAと主催国のカタールが、会場でのアルコール販売の禁止を発表した。
バドワイザー社は1986年から同大会の主要ビールスポンサーを務めてきており、今大会でも巨額な金額を主催団体であるFIFAに支払い大会会場で独占的にビールを販売する権利を獲得していた。ところが突然の販売中止となり、12月中旬まで続く大会期間中に得られる収益がゼロとなったことから、同社は主催団体のFIFAに対して4,700万ドルの返還を求めていると報道されている。
英国デイリー・メール紙によると、同社は今大会でのオフィシャル・ビール供給スポンサーになるためにFIFAと7,500万ドルで契約を結んでおり、次の2026年の北アメリカ大会では1億1,200万ドルの契約と言われている。カタールの会場でのアルコール販売は禁止されているものの、FIFAファン・フェスティバル会場ではビールの購入が認められており、ラグジュアリー・アクセスという上級チケットを持つ人々はシャンパン、ワイン、その他の酒類の購入が許されている。
中東のカタールでは、アルコールの提供はホテルのレストランと許可を受けたバーに限られている。
バドワイザー社では販売することができない大量のビールをワールドカップの優勝チームに贈ると発表した。同社は19日(土)、「新しい1日に新しいツイート。優勝国チームにはバドワイザービールを差し上げます。一体誰が手に入れるのかな?」とツイートしている。
FIFAとカタールが決定した会場でのビール販売中止は現地で応援するサッカーファンにも大きな衝撃を与えたが、FIFA会長ジャンニ・インファンティーノ氏は「もしこれが我々の最も大きな問題なのだというのなら、私は返金に応じるつもりだ。ファンはビールがなくても生きていけるだろう」と会見で述べている。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.11.23)