【ハワイニュース】ホノルル市議会でワイキキ騒音対策法を検討中 ストリートパフォーマンスに影響大
ワイキキの夜といえば、カラカウア・アベニューに溢れる観光客と賑やかなストリートパフォーマンスだが、今ホノルル市議会ではワイキキの騒音対策法案を検討しているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ワイキキはハワイ州で最も有名な観光スポットだが、実はハワイ州で最も住民密度の高い住宅地の一つでもある。
法案43は市議会議長トミー・ウォーターズ氏から提出されたもので、「ワイキキエリアの公共の場所における(サウンド・アンプで)増幅された音を規制することによりワイキキの静けさを取り戻し、周辺住民の利益を守るため」としている。
この法案で対象となっている騒音とは、サウンド・アンプ(音声増幅器)を利用して30フィート(およそ9メートル)離れた場所から聞こえる一定デシベルを超えるものとされ、警察や救急のサイレン、およびパレードなどの音は除外される。
法案では、(拡声器を利用した)人前で行うスピーチをする人の言論の自由は、聞かないという受け取り手の権利とバランスを取る必要があるとしている。
この法案でストリートパフォーマンスについての言及はないが、新型コロナウィルス感染が収束に向かいつつあり、ホノルル市の規制も緩和されてきたことから観光客も増えると同時にストリートパフォーマーもまた増えてきている。
週に3日家族でバンド演奏をしているケビン・フォスターさんは「私たちの音楽の演奏を楽しんでくれる人はたくさんいます。音楽は心の栄養なのです。そしてここは都市です。車やバイクの騒音は私たちの音楽よりも大きい音を出しています」と、この法案に反対している。
ワイキキのABCストアで勤務しているジュニア・カードナさんは、店舗前でバンドが演奏していることで観光客が集まり店に入ってくる客も増え、個人的にバンドの演奏する音楽を楽しんでいると述べている。
仲間と共にストリートダンスを披露しているフレックスさんは、近隣住民のために10時にはパフォーマンスを打ち切っているといい、法案が可決しないことを願っているという。
一方、ワイキキに住む市民からは毎日のようにサウンド・アンプによる騒音をなんとかして欲しいという苦情を受け取っていると州上院シャロン・モリワキ議員や州下院エイドリアン・タム議員はこの法案を支持している。
この周辺を管轄としているホノルル警察第6地区のマーク・クリチオ警視も「周辺住民や、観光客、ビジネスからたくさんの苦情を受け取っています。この法案は非常に助かります」と述べており、ワイキキのコンドミアムを所有するアソシエーションもこの法案を支持すると表明している。
毎晩数時間にわたる騒音に対して、カラカウア・アベニュー沿いのホテルに宿泊する観光客からも大きな苦情が寄せられているという。
写真: funboxphoto / Shutterstock.com
(日刊サン 2021.11.23)
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