【ハワイニュース】ホノルル市長が違法短期バケーションレンタルに対する罰金徴収強化を発表
ホノルル市では現在、営業許可を取得していない違法な短期バケーションレンタルの摘発を強化しており、違反者には1日あたり最高1万ドルの罰金が科せられる。
リック・ブランジャルディ市長は21日、この罰金徴収のために専門の企業との契約を検討していると発表したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
短期バケーションレンタルに対する条例は今年10月23日に施行された。
ブランジャルディ氏は、「今、罰金の回収担当部署を設置する最終段階にある。罰金の回収というのはこれまで経験のないことだが、これを強化していきたい。今後はその成果を出していけるものと確信している」と述べている。
市が契約を検討しているのは「地方自治体債権回収(Municipal Debt Collections)」という企業だという。
違法な短期バケーションレンタル摘発のために、市の計画許可局(DPP:Department of Planning and Permitting)には7人からなる専属チームがあり、オンラインでのレンタル広告を見つけ出すためのスキャニング・ソフトウェアも導入しているという。
市長は、「AirbnbやExpediaといった大手サイトと協力しており、彼らは違法なバケーションレンタルを受け入れないことに同意している。また、スキャニングソフトでは、1日に60のウェブサイトを監視している」と述べた。
DPPの暫定局長のドーン・タケウチ・アプナ氏によると、オアフ島内で10万ドル以上の罰金未納となっている不動産所有者は少なくとも274人おり、違法バケーションレンタルを含め、DPPが関与している建築や許可違反全体では、1億3千万ドルが未納だという。
コールドウェル前市長時代には、罰金の主たる目的は罰を与えることではなくコンプライアンス(法令遵守)であるという路線だったが、現政権のもとでは、科された罰金は不動産所有者が全て支払うよう求めている。
違法短期バケーションレンタルに関しては、まず30日以内に問題を改善するよう求める警告書がDPPから不動産所有者に郵送され、もし改善が見られない場合には、2カ月以内に罰金を支払うよう命令書が発行される。支払われない場合には、さらに3カ月以内に支払いを求める催促状が発行され、それでも支払いがない場合、DPPは不動産に対して抵当権を設定することになる。
10月の施行以来、およそ100通の警告書が発行されており、すでに違法レンタルの37%が営業を諦めたと見られている。
市長は、「これまでのところ問題はなく、非常にうまくいっている。この問題に真剣に取り組んでいるし、1日1万ドルという罰金は、違法行為をやめるきっかけとなるだろう。これはホテル業界のための措置ではないが、彼らは恩恵を受けていると思われる」と述べた。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.11.22)