20日(月)午後、米海軍の航空機が滑走路を逸脱してカネオヘ湾に突っ込む事件が発生したが、搭乗していた9人全員は無事に脱出したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
P8-A航空機はカネオヘ湾にある海兵隊基地の滑走路をオーバーランした。ホノルル消防署(HFD)は午後2時6分に通報を受け、海兵隊基地マリーナ桟橋からすぐの現場に複数の部隊を派遣した。ホノルル救急医療サービスも、複数の部隊で駆けつけたが、搭乗していた全員にけがはなかった。沿岸警備隊の広報官であるライアン・フィッシャー兵曹によると、沿岸警備隊は対応したが、救助活動はすぐに中止されたという。HFDは午後2時42分にこの一件を終了とした。
当時は雨が降っており、国立気象局ホノルル支部の気象学者であるトーマス・ヴォーン氏によると、視界は約1マイル(1.6キロ)だったという。
目撃者によって撮影された写真には、飛行機が沖合に浮かんでいる様子が写っており、チェズレイ・”サリー”・サレンバーガー氏が操縦する民間航空機がニューヨークの川に緊急着陸した2009年の「ハドソン川の奇跡」を彷彿とさせる光景だった。この事故では、乗員乗客155人全員が助かった。なお、サレンバーガー氏が操縦したエアバスA320と今回のP-8Aは、ほぼ同じ大きさだ。
ボーイング社製造のP8-Aは、ポセイドン対潜哨戒機で、潜水艦の捜索や偵察、情報収集によく使われるという。737民間ジェット機と多くの部品を共有している。
この航空機は、ワシントン州のウィドビー島に駐留するパトロール第4飛行隊のスキニー・ドラゴンズに所属している。哨戒飛行隊はかつてカネオヘ湾を拠点としていたが、現在はローテーションでハワイに配備されている。
海兵隊基地はホノルルから約10マイル(16キロ)離れたカネオヘ湾に面しており、近隣にはサンゴ礁、ハンマーヘッドシャーク(シュモクザメ)の繁殖地、ハワイ大学海洋生物学研究所がある。
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