観光の中心でもあるワイキキにあるアラワイ運河は毎年嵐や大雨になる度に運河に水が流れ出す危険にさらされてきた。
当局では当初、洪水被害から周辺の住民を守るために100年に一度あるかどうかという大洪水にも備えられるよう、雨水を海に流し込む洪水対策を進めようとしてきたが、技術力の問題とかかる金額の問題で頓挫した。
アメリカ陸軍工兵隊のホノルル司令官であるエリック・マーシャル中佐は「地域が経験したこともないような嵐のために設計しようとしていたので、それは現実的ではありませんでした。間違っていたというわけではありません。するように命じられたことをしていたのです」
当初の計画ではマノアとパロロ周辺の洪水を抑えるための大きな調整池と、アラワイ運河の土手に沿って高さ4フィートの壁の建設が含まれており、計画通りの建設費用は予算の3億4,500万ドルを大幅に超える6億5,100万ドルという見積もりとなった。
周辺住民からもこの大型工事に対する反対意見が多く、かかる金額も高すぎた。
それを踏まえて新しい計画が進められようとしているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ホノルル市と陸軍工兵隊は、まず地域住民が何を望んでいるかという意見を聞き取るためのタウン・ホール・ミーティングの開催を開始したという。
上流で流れが堰き止められているために大雨の際に大きな被害となっている事実をマノア住民が指摘している。
「メンテナンスの問題です。ホノルル市の責任なのに、明らかにメンテナンスができていません」
リック・ブランジャルディ市長は「私たちにとって大きな問題です。対応を検討していますが、本当に長い間放置されてきた問題だと思っています。だからこそ、この計画を実行することが重要です」と述べている。
気候変動による、より強い嵐の可能性や海水の上昇の恐れにも対応が必要だ。
マーシャル中佐は「非常に現実的で、地域住民に求められているものを建設したいと考えています」と述べている。
地域住民の声を聞くためのタウン・ミーティングはこれからさらに7回開催されることになっており、最終報告は2年後になるという。
写真: Shutterstock
(日刊サン 2021.11.19)
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