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【ハワイニュース】イザベラちゃん殺人事件を受け児童福祉サービスの見直し検討

ワイマナロで9月から行方不明となっていた6歳女児が養父母によって殺害されたと見られている事件を受け、市議会では児童福祉サービスが直面している課題を見直し、対応を検討しているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。 

イザベラちゃんは当初児童福祉サービス制度の元で里親のカルア夫妻に育てられていたが、今年1月に正式に養子縁組が行われて養女となり、その養父母は現在イザベラちゃん殺人容疑で逮捕されている。

イザベラちゃんの養子縁組についての詳細については捜査中のためにまだ明らかにされていないが、関係者は児童福祉サービスの予算が少ない事が福祉サービスの内容に影響しているのではないかと見ている。

「児童福祉サービスでは新型コロナウィルス感染拡大以来10%の予算が削減されました。虐待予防対策のための予算に対する要求は前回の市議会で通過しませんでした」と広報担当者が述べている。

市議会では来年1月から始まる次の議会で児童福祉サービスの予算について審議するとしている。

州議会の衛生福祉及びホームレス対策委員会の会長を務めているライアン・ヤマネ下院議員はすでに児童福祉サービスとハワイ州福祉局の上層部と話し合いを進めていると述べており、児童福祉サービスの職員の増加するべきかどうかについても検討しているという。

現時点でハワイ州内に1,081件の里親による養育が行われているが、児童福祉サービスで働いているソーシャルワーカーは170人で、45人分の空きがある。

1人のソーシャルワーカーが担当している平均件数は7件で決して多いとは言えないが、相談電話件数が多く対応する人員が足らない状況だという。

毎月およそ250件の電話による相談や通報はそれぞれ虐待やネグレクトの可能性があるために実態調査をする必要がある。

ヤマネ議員は児童福祉サービスの予算の是非について検討するには、空いているポジションに人員を採用するのにどれだけかかるのか、もっと人員が必要なのかなど様々な検討課題があるという。

今年126日に養子となったイザベラちゃんが9月に行方不明となったことで、児童福祉サービスの現行システムと状況についてより深い議論が必要だという点も指摘されている。

里親に育てられている間は児童福祉サービスのケースワーカーによって面談や状況確認が行われるが、いったん養子縁組が成立するプライバシー保護の観点からと定期的確認は行われなくなるからだ。

プライバシー保護と子供の安全確認の必要性のバランスについて検討が必要だという。

イザベラちゃんの兄弟姉妹は逮捕されたカルア夫妻と同居して一緒に養育されていたが、まだ里子の段階で正式に養子となっていなかったために児童福祉サービスのケースワーカーによって定期的に面談が行われていた。

しかし新型コロナウィルス感染対策のために面談はオンラインや電話で行われていたため、イザベラちゃんの状態までチェックすることが困難だったという事実も判明している。

養父のアイザック・カルアは8月にニセのコロナ感染を報告していた。

イザベラちゃんの姉の証言によると、アイザック容疑者はコロナ感染をでっち上げることによって仕事を休み証拠の隠滅をしたとされており、このニセのコロナ感染報告により児童福祉サービスの訪問がさらに困難になったと見られている。

写真: Shutterstock.com

(日刊サン 2021.11.17)

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