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【ハワイニュース】精神科施設で患者が看護師を刺殺

ハワイ州立病院の看護師が13日(月)の夕方に刺殺された事件に関して、ハワイ州保健局(DOH)の担当者は「いわれのない、予期せぬもの」であったとしながらも、同病院と敷地内のグループホームの徹底的な安全調査が進行中であると発表したとハワイ・ニュース・ナウが報じている。

オアフ島カネオヘにあるハワイ州立病院は、事件や問題を起こして精神的治療が必要な人物を収容する精神科入院病棟である。今回の刺殺事件は、同病院の敷地内にある、退院を前にした患者が市民生活に慣れるための移行施設であるグループホームで起きた。

13日(月)午後521分、ホノルル警察(HPD)とホノルル救急医療サービス(EMS)が現場に駆けつけ、救急隊員が複数の刺し傷を負った看護師のジャスティン・バウティスタさん(29歳)を発見した。被害者は午後62分に死亡が確認された。

HPDは、25歳のトミー・ケコア・カルバーリョ容疑者を逮捕した。同容疑者は、ハワイ州立病院内の移行グループホームにいたが、施設を退所する許可を持っており、事件当日の午後にこの施設を出たばかりだった。

ハワイ州立病院の管理責任者であるケネス・ルーク氏は、14日(火)の記者会見で、カルバーリョ容疑者は13日(月)午後にカネオヘの施設を出て、その後戻ってきたと述べた。事件で同容疑者が凶器を手に入れたのはそのためではないかと推測されている。

DOHのケネス・フィンク局長によると、カルバーリョ容疑者のケースではすべてのプロトコルが守られており、以前から脅威となるような兆候はなかったことを臨床レビューが示していたという。「患者は安定していた。これは予期せぬ、いわれのない出来事だったようだ」と同局長は記者会見にてコメントした。

一方、州立病院の安全性の見直しが進められている。フィンク局長は、新しく建てられた同病院は警備が厳重だと指摘した。しかし、敷地内にある移行期のグループホームは、元患者が自立して、あるいは地域社会で集団生活を送れるようにするためのもので、安定した患者のためのセキュリティは低く設定されている。

フィンク局長によると、刺殺事件が起きたグループホームには22人の入居者と5人の職員がいる。事件発生時、施設では被害者のバウティスタさんと4人の精神科技師が働いていた。ルーク氏は、亡くなった看護師について「良い人で、尊敬されていた」と述べ、組織にとって大きな損失であると語った。

法廷文書によると、2016年、カルバーリョ容疑者はカウアイ島でのテロ脅迫事件で逮捕されて以来、2020年に州立病院に入退院を繰り返している。彼は州立病院での治療中に暴行で起訴されており、担当弁護士によると、2021年に別の事件が起訴され、現在係争中だという。

20225月、ケースマネージャーからの文書には、カルバーリョ容疑者はグループホーム・ワイアナエに送られたが、覚醒剤の陽性反応があり、スタッフや仲間に対する攻撃的な言葉による脅しがエスカレートしたとあり、「地域の病院で現在の行動を安定させようと試みたがうまくいかなかった」と綴られていた。そのため、再び州立病院に送られることになった。20238月、判事は同容疑者をハワイ州立病院敷地内にある移行生活施設に安全に退院させることができると判断したが、しかしその3カ月後、刺殺事件が起きてしまった。

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画像:Shutterstock.com

 

(日刊サン 2023.11.15)

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