ハワイアン・エレクトリック社(HECO)とその親会社は、最近の財務報告書で、9月末までのマウイ島の火災関連費用は総額2040万ドル(約30億6000万円:150円/ドル換算)に上ることを明らかにした。
ホノルル・スター・アドバタイザーの報道によると、この費用には、訴訟費用1080万ドルが含まれており、この影響によりハワイアン・エレクトリック・インダストリーズ社(HEI)の9月30日に終了した3カ月間の利益は、前年同期の6260万ドルから34%マイナスの4160万ドルに減少したという。
HEIとHECOは9日(木)に財務報告を発表し、同社関係者は、少なくとも99人が死亡し、推定56億ドル(約8400億円)の損害をもたらしたラハイナの火災をめぐる訴訟が係争中である一方、同社事業の堅調な地盤と現金の備蓄の中で回復に集中していると述べた。
HEIの社長兼CEOであるスコット・セウ氏は、アナリストとの電話会議で、HECOは異常気象のリスクを軽減するために、短期および長期の支出計画を再検討し、更新していると述べた。この取り組みの一部には、連邦政府からの資金の半分にあたる1億9000万ドル(約285億円)を、州公益事業委員会の決定を待っている2022年の提案に費やすことも含まれている。
1891年に設立されたHECOが、破産保護を求めずに財務的な支払能力を維持できるかどうかについては、多くの憶測がある。同社の信用格付けは引き下げられ、HEIの株価は急落している。HEIの最高財務責任者(CFO)であるスコット・デゲット氏は、電話会議にて、9月30日現在、HEIとHECOにはそれぞれ1億2700万ドル(約190億円)と2億7500万ドル(約413億円)の現金があると述べた。同氏はまた、マウイ島復興基金のために7500万ドル(約112億円)を使用した後、両社には9000万ドル(約135億円)の賠償責任保険が残っていると述べた。
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