ハワイ・ヘラルド紙とハワイ報知紙の廃刊が発表され、両紙にゆかりのある人たちから悲しみの声があがっている。
ホノルル・スター・アドバタイザーの報道によると、隔月刊のハワイ・ヘラルドは12月1日に最終号を発行し、43年の歴史に幕を閉じる。また、日刊紙のハワイ報知は、創刊111周年にあたる12月7日に最終号を発行する。
ハワイ報知社の吉田太郎社長は、ホノルル・スター・アドバタイザーに宛てたEメールの中で、「購読者、ハワイの日系企業、日系コミュニティ、その他多くの方々から、廃刊を惜しむ声を多数いただいている。ハワイ報知が110年以上にわたってハワイの日系コミュニティで果たしてきた役割と歴史を考えると、廃刊の決断は簡単なものではなかった」と語った。
2015年からハワイ報知を率いてきた吉田社長によると、就任前から経営はマイナスだったが、親会社である静岡新聞社の支援により、現在まで事業を継続することができたという。
2022年4月からヘラルドの編集長を務めるクリステン・ネモト・ジェイ氏も、購読者数の減少を感じずにはいられなかったという。毎月、亡き親の購読解約を要望する電話があり、数の減少はより顕著になった。「主な購読者は80代と90代で、彼らは文字通り亡くなっていった。そのため、新しい購読者を集めるという仕事をしなければならなくなった。つまりそれは、私の世代が読みたいものをもっと届けるということだ」
ジェイ氏は、ヘラルドの編集長になった最初の年に、ヘラルド初の「プライド」号を発行し、多くの反響とともにこの特集への感謝の声も聞くことができた。しかし、さらに手を広げる前に、ヘラルドが廃刊になるという知らせを受けた。同氏は、「これからスタートという時だった。もっと時間があると思っていた」と語った。
ハワイ大学名誉教授で、ヘラルドに長年寄稿してきたヴァイオレット・ハラダ氏は、「編集者、スタッフ、ライターは、日本人や日系コミュニティが受け継いできた遺産と、現在も続いているエキサイティングな貢献を、雄弁に宣伝し、伝えてくれた。この声を失うことは、私たちに埋めがたい空白を残すことになる」と語った。
ヘラルドの元編集者であるジョディ・チン氏は、「ヘラルドのチームは、私たちの出版物がどのように役に立ち、先祖を称え、彼らの遺産を引き継ぎ、その価値観を継承することができるかを常に問いかけ、私たちのコミュニティへのアロハを示してくれた。物語は決して終わらない。私たちは、この経験を未来の世代と共有し続けなければならない」と語った。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.11.13)