今回のミリラニ・マウカの山火事では、負傷者はなく、家屋の焼失もなかったが、炎はかけがえのない原生林を一掃したとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
コオラウ山脈流域パートナーシップのマネージャーであるJC・ワトソン氏によると、被害を受けた原生林には、ハワイの熱帯雨林を支配するウルヘシダや、伝統的にカヌーやサーフボード、ウクレレの材料として使われてきたコアの木があったという。同氏は、「完全な焼け野原ではないが、まるで月面のようだ」と語った。
「ネイチャー・コンサーバンシー・イン・ハワイ」のシニア・サイエンティスト兼文化アドバイザーであるサム・オウ・ゴン氏は、「今回の火災がオアフ島の雨の多い風上側で発生したことは、変化が進行しているという赤信号だ」と語った。
この火災はオアフ島森林国立野生生物保護区内で発生した。同保護区には、米政府によって絶滅危惧種または絶滅の危機に瀕していると認定された22種が生息している。その中には、イイヴィやエレパイオなどの鳥類、ププ・カニ・オエと呼ばれるカタツムリ、ハワイホアリーコウモリ(別名オペアペア)などが含まれる。同保護区を管理する米国魚類野生生物局は、この火災によってどのような植物や野生生物が被害を受けたか、あるいは害を受けた可能性があるかはまだわからないとしている。
火災はホノルルから北に約20マイル(32キロ)の地点で10月30日(月)に発見されて以来、2.5平方マイル(6.5平方キロメートル)を焼却し、10日(金)の時点では90%が鎮火している。現在、火災の原因を調査中である。
コオラウ山脈流域パートナーシップは、魚類野生生物局と協力して被害の初期調査を行っており、外来種の駆除や在来種の植樹を含む修復計画を策定する予定だ。しかし、できることには限界がある。ワトソン氏は、「私たちが生きている間に、以前の状態に戻すことはできないだろう。残念ながら、永遠に変わってしまうのだ」と語った。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.11.13)