マカキロにあるキャンプ・パレフア牧場主は毎日放牧した畜牛たちを集めているが、牛たちは草を求めて近隣の土地に入ってしまうことに困惑している。
ロッカー・G・ライブストックのオーナーであるバド・ギブソンさんは、畜牛たちに十分に栄養を与えるためにできる限りのことをしており、近隣の土地に彷徨いでないようにするために牛たちに多くの餌を与えるようにしているという。
オアフ島西部のマカキロ地区は牛の飼育をしている牧場があるが、今年は干ばつによって牧草が十分に育たなかった。
そのために放牧されている牛が草を求めて牧場の外に出て行ってしまうという状況になっているとKHONが伝えている。
ギブソンさんは「牛が必要としている十分な牧草が牧場内にないのです。なので牛たちは草を求めてスプリンクラーで水撒きしている公園や住宅地に入ってしまうのです」と述べている。
牧場ではこの状況をなんとかしようと2トンの餌を余分に牛たちに与えているが、それだけでは足りないという。
牧場主のヒュー・ブラムさんによると「2トンの餌の増量は補助的なものに過ぎません。干ばつで土地が荒れて緑の牧草がないのが問題なのです」という。
問題の解決のために、牛をより長い時間放牧して朝早くから夜まで牧場内で餌を探させるようにする一方で、牛が倒したフェンスの修理も行っている。
オアフ島内ではすでに220頭以上の畜牛を牧草のある地域を移動させている。
ギブソンさんは雨が降ることを祈っているが、畜牛が彷徨い出てしまうことで近隣住民に迷惑をかけていることについては「できる限りのことをしているので、状況はよくなる」としている。
また、近隣住人側ができることとして、1週間ほど庭に水を撒かなければ牛は寄り付かなくなるだろうと述べている。
今年の干ばつはハワイ州内で牧場や農業に大きな影響を与えている。
マウイ・ファーマーズ・ビューローのワレン・ワタナベ氏によると、マウイ島の一部地域では深刻な水不足のために、野生の鹿が食料を水を求めて農地に入り込み農家が駆除に追われているという。
「農地に入り込む鹿を駆除しなければならない理由は、鹿が作物を食べるだけではありません。食料安全規制の問題もあります。鹿が糞をした場所で作物を栽培できないのです」
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.11.10)
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