オアフ島の住宅販売は10月、およそ2年間続いた下落の速度が緩和され、一戸建て住宅の中央価格も上昇し、10カ月続いた前年同月比マイナスを脱したとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。

ホノルル不動産協会が6日（月）に発表した販売データによると、10月は中古一戸建てとコンドミニアムの購入の減少率が比較的少なかった。10月に販売された一戸建ては213件で、前年同月の222件から4.1％減少した。一方、今年に入ってからの9カ月間は、前年同月比で16％から54％の減少であった。コンドミニアム市場では、10月の販売件数は前年同月の435件から8.3％減の399件となり、今年9月までの各月の前年同月比17％から50％の減少が続いた。

一戸建ては2022年1月以降、コンドミニアムは2022年5月以降、住宅ローン金利の上昇、高インフレ、在庫の相対的減少の中で販売件数は減少している。

10月の一戸建て分譲中央価格は、前年同月の105万ドルから4.8％上昇し110万ドルとなり、2022年11月以来の上昇となった。また、コンドミニアムの販売中央価格は51.5万ドルと、前年同月の52万ドルから1％下落した。なお、コンドミニアム市場で前年同月比で中央価格が上昇した月は、今年に入って3月、8月、9月の3回あった。

10月のオアフ島の住宅市場における、これら2つの明るい兆しが、単なる一時的なものかどうかはわからない。

ロケーションズの最高執行責任者であるチャド・タケスエ氏によると、住宅ローン金利の上昇と最近の住宅価格の上昇により、住宅購入者と売主の両方の動きが多少鈍化しているものの、ハワイの住宅市場は歴史的に少ない販売用住宅の在庫で制約を受け続け、購入者間の競争が高く保たれているという。また同氏は、住宅ローン金利は年末までこれ以上は上がらず、2024年に向けて7％を下回るだろうと楽観的な見方をしている。

フレディマック（連邦住宅抵当貸付公社）によると、30年固定金利住宅ローンの平均金利は過去52週間で6.09％から7.79％の範囲にあり、先週は7.76％だった。

ハワイ大学経済研究機構（UHERO）は9月、オアフ島の一戸建て販売中央価格は、今年0.6％下落の99万5200ドルとなり、2024年には4.1％上昇の103万5600ドル、2025年には5.9％上昇の109万7100ドルとなると予測した。また、コンドミニアムの販売中央価格は、今年1.2％下落の49万4900ドル、2024年には2.3％上昇の50万6300ドル、2025年には4.9％上昇の53万1200ドルになると予想している。

10月に販売された住宅数、中央価格、前年同月からの変化率は下記のとおり。

●一戸建て住宅
2023年10月：213件、110万ドル
2022年10月：222件、105万ドル
前年同月比：4.1%減、4.8%増

●コンドミニアム
2023年10月：399件、51万5000ドル
2022年10月：435件、$52万ドル
前年同月比：8.3%減、1％減

出典：ホノルル不動産協会