ハワイ固有種の鳥類、とりわけミツスイ類が、外来種の蚊が媒介するマラリアの被害に遭っている。非営利団体「バーズ・ノット・モスキーツ」(Birds Not Mosquitoes)は、鳥マラリアを根絶するため、ハワイ島で蚊のサンプルを収集しているとKHON2が報じている。
現在、ハワイ固有種のミツスイ類2種が、鳥マラリアによる絶滅の危機に瀕している。
マラリアを媒介する蚊の中でも、特に「サザンハウス・モスキート」のメスは媒介力が強い。バーズ・ノット・モスキーツは、蚊の個体数を抑えるため、自然発生のバクテリアを蚊の避妊薬として使用することを計画しているという。
国土自然資源局森林野生動物部、太平洋協同研究ユニット(DOFAW /PCSU)の鳥類疾病専門家のカラ・ソウ氏は、「サザンハウス・モスキートのメスが鳥類を刺すと、感染しやすい種類の鳥は90%の確率で死ぬ」と説明した。
同氏の研究チームは、サザンハウス・モスキートのメスを捕獲して、生態パターンを分析し、生態系への悪影響を阻止する方法を模索している。
ハワイに生息するすべての蚊と同様、サザンハウス・モスキートもハワイ原産ではない。蚊は1800年代初頭、貯水池の水や船舶に紛れてハワイに運ばれたと考えられている。
ソウ氏によると、気候変動に伴う気温の上昇により、ハワイ固有種の鳥が生息する高地に蚊が移動しはじめているという。このことは、ハワイ、マウイ、カウアイの各島で鳥の個体数に壊滅的な影響を与えており、既に数種類が鳥マラリアの影響を受け、絶滅の危機に瀕している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.11.8)