ホノルル動物園は6日(月)、フタユビナマケモノの「ハリエット」が腎臓病の進行により10月26日(木)に死亡したと発表した。ハリエットは少なくとも14歳だったと推定されているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ホノルル動物園のリンダ・サントス園長によると、獣医、学芸員、飼育係のスタッフは、数カ月にわたる腎臓病の集中治療の後、ハリエットを安楽死させるという難しい決断に至ったという。同園長はニュースリリースにて、「ハリエットは愛すべきナマケモノで、とても良い母親だった。彼女や子どもたちと一緒に飼育員が働くことを受け入れ、動物園の敷地内で栽培された大好物のマウンテンアップルなどの健康的なおやつを手で与えられることを楽しんでいた。動物園職員、来園者、ナマケモノ・ライブ・カメラの視聴者はみな、彼女を失ったことを心から悲しむだろう」と語った。
動物園関係者によると、ハリエットは、以前出産した後、2013年12月にホノルル動物園に移住した。その2カ月後、動物園水族館種保存計画協会(Association of Zoos and Aquariums Species Survival Plan)の一環として、彼女は新しい伴侶「クアンド」と引き合わされた。2匹は貴重な繁殖ペアとなり、ホノルル動物園でメス6頭、オス1頭の計7頭の子どもを産んだ。
動物園のニュースリリースによると、彼らの繁殖の成功は、飼育員らにナマケモノの妊娠、出産、飼育に関する貴重な実地経験を与えたという。また、ナマケモノの出産に関する記録は他ではほとんどないが、同動物園に出産のライブ動画を含むデータを残すことになった。
ハリエットとクアンドのデータをもとに、ホノルル動物園職員は5月、「動物飼育保護者フォーラム」誌に、「ホノルル動物園で飼育されているフタユビナマケモノにおける繁殖の観察」を発表した。
サンディエゴ動物園によると、中南米に生息するこの哺乳類は、通常、日中15時間から18時間眠り、そのほとんどは逆さまにぶら下がっている。夜になると目を覚まし、主に木の葉や果物を食べるという。また、ナマケモノの母親は一度に一頭しか子どもを産まず、赤ちゃんは約5週間お腹にしがみついてから自分で動き出す。なお、ナマケモノの平均寿命は15歳だという。
ハリエットにはパートナーのクアンド、娘のオピヒとリコ、息子のポノがおり、彼らは動物園のナマケモノ展示室で暮らしている。
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