ハワイ大学(UH)マノア校の研究グループが、今後80年間で、ハワイの虹の発生率が5%増加すると予測しているとKHON2が報じた。
研究グループのリーダー、キンバリー・カールソン氏は、「ハワイに住んでいると、虹を見るのが日常生活の一部であることに気づく。今回、気候変動は虹の発生率にどのように影響するのかを調べた」と話した。
ハワイは、日照時間が長く、陽の光が強く、晴れの日が多い上に水資源が豊富なため、頻繁に虹が発生する。
研究グループの調査によると、気候変動により、2100年までにハワイで虹が発生する日が年に数日増えると予想されている。
カールソン氏は、「研究の目的は、気候変動による目に見えない環境属性の変化が重大である可能性を示唆し、それについての検討、改善を促すことだ」と説明した。
研究グループは、化石燃料の燃焼で発生する大気の温暖化が、降雨や雲のパターンと量にどのような変化をもたらすかを予測している。日光と降雨は虹の発生に不可欠な要素であるため、気候変動はその発生プロセスに影響を与える可能性がある。
UHマノア地理環境局のカミロ・モラ氏は次のように話した。
「たとえば、気候変動が原因の熱波による熱中症の発生など、気候変動が人々の健康と生活にどのような影響を与えるかはよく研究されている。しかし、虹のような環境の美的性質をどのように変化させるかを調べている研究者は多くない」
北半球の緯度と標高の高い地域では、温暖化によって降雪が減り、降水量が増えていることから、今後虹がより多く発生すると予測されている。一方、地中海など、気候変動により降水量が少なくなっている場所では、虹の発生も少なくなると予測されている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.11.4)