マウイ島では昨年から野生の鹿による獣害が深刻化しており、州議員らが鹿の頭数制限を行うよう知事に要請しているとハワイニュースナウが報じている。リン・デコイト州上院議員は、この問題に関する今年2回目の緊急宣言を受け、「デービッド・イゲ州知事に対し更なる支援を要請している」と述べた。
現在、マウイ島全域で干ばつが進行しており、野生の鹿の餌や水の供給源が枯渇しつつある。そのため、鹿が住宅地や農地などに出没し始め、最近はカフルイ空港周辺でも鹿が見かけられるという。牧場に侵入した野生の鹿が家畜の餌を食べるなどの獣害が深刻化している。昨年は、島内で野生の鹿に起因する交通事故が100件以上あり、うち数件で負傷者がホノルルに救急搬送された。この問題に関して今年1月、知事が緊急宣言に署名し対策委員会が組織されたものの、デコイト議員によると「現在は更に支援が必要な状況」という。
現在、マウイ島の約3分の1が極度の干ばつに見舞われており、夏季の数か月でさらに範囲が広がったと考えられている。米海洋大気庁によると、雨季に入ってもリーワード地域を含めた一部地域で干ばつが続く恐れがあるという。
写真:Shutterstock
(日刊サン 2021.11.01)
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