RSウイルスに対する乳幼児への新しい予防注射が不足していることを受け、米国疾病対策予防センター(CDC)は、23日(月)、慢性肺疾患やその他の基礎疾患を持つ生後6カ月未満の乳児に優先して使用するようにと医師たちに呼びかけている。
ホノルル・スター・アドバタイザーの報道によると、RSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)は、風邪のような症状を引き起こす季節性ウイルスだが、幼児にとっては危険であるという。現在、米国南部で広く報告されており、今後1~2カ月は流行が続くと予想されている。
新しいRSウイルスの予防接種はアストラゼネカ社とサノフィ社によって開発され、ベイフォータスという商品名で販売されている。接種は1回のみで効果を発揮するとされている。
この予防接種は7月に米国食品医薬品局(FDA)が承認し、8月にCDCはRSVシーズン直前またはシーズン中に生まれた乳児と、シーズン開始前の生後8カ月未満の乳児に投与することを推奨した。CDCはまた、重症化リスクの高い生後8カ月から19カ月の乳児への投与も推奨している。
サノフィ社は声明の中で、特に大量接種の需要が「予想を上回っている」と述べている。
保健当局は、現在の予防接種の供給量では、大量接種の対象となる子どもたち全員を守るには不十分であると述べている。
CDCによれば、RSウイルスのシーズン中、少量の予防接種の供給も制限される可能性があるという。CDCは、医師はRSV予防注射の供給量を確保するため、少量の2回分を体格の大きい乳幼児に使用しないよう呼びかけている。
また、CDC関係者は、RSウイルスの古い予防薬であるパリビズマブの接種が可能な子どももいると述べた。なお、この薬は毎月注射が必要となる。
医師はまた、新生児をRSウイルスから守るために、新しいワクチンの接種のために妊婦を説得するよう求められている。妊婦が予防接種を受けることで、生まれてきた乳児は抗体を受け継ぐことができるため、予防接種を必要としないと言われている。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.10.25)