ハワイ州を含む数十の米国各州が、メタ・プラットフォームズ社(Meta Platforms Inc.)に対し、故意に子どもたちを同社のインスタグラムやフェイスブックといったソーシャルメディア・プラットフォーム(SNS)に依存させるような機能を設計し、青少年のメンタルヘルスの危機を助長しているとして訴訟を起こしているとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
33州がカリフォルニア州の連邦裁判所に提出した訴訟では、メタ社は連邦法に違反し、両親の同意なしに13歳未満の子どものデータを日常的に収集していると主張している。さらに、9州の検事総長がそれぞれの州で訴訟を起こしており、行動を起こしている州は全米で41州およびワシントンD.C.となった。
これらの訴訟は、金銭的な損害賠償と返還、そして法律に違反するメタ社の行為の停止を求めている。
ハワイ州のメタ社に対する訴訟活動を指揮するクリストファー・ハン副司法長官は、24日(火)のニュースリリースにて、「この訴訟は、ハワイが子どもに対する欺瞞(ぎまん)的で略奪的な行為を許さないというメッセージをSNSに送るものである。検事総長部局は、この全国的な取り組みの一部であることを誇りに思っており、法廷でメタ社に対する我々の訴えを行うことを楽しみにしている」と述べた。
メタ社は声明の中で、「10代の若者に安全で前向きなオンライン体験を提供するという検事総長のコミットメントを共有し、10代の若者とその家族をサポートする30以上のツールをすでに導入している」述べ、さらに「10代の若者たちが使用する多くのアプリについて、年齢相応の明確な基準を作るために業界全体の企業と生産的に協力する代わりに、検事総長がこのような道を選んだことに失望している」と付け加えた。
この広範な連邦訴訟は、2021年秋にウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じた、インスタグラムが10代の若者(特に10代の少女)にメンタルヘルスやボディイメージの問題を引き起こす可能性があることをメタ社が知っていたという、メタ社独自の調査に基づく不利な新聞報道を受けたものだ。ある社内調査では、10代の少女の13.5%がインスタグラムによって自殺願望が悪化し、17%が摂食障害を悪化させていると答えている。
ピュー・リサーチ・センターによると、米国では13歳から17歳の10代のほぼ全てがSNSを利用しており、約3分の1が「ほとんど常に」利用していると回答している。
連邦政府の規制を遵守するため、SNS企業は13歳未満のプラットフォームへのサインアップを禁止している。しかし、子どもたちは親の同意の有無にかかわらず、簡単に禁止を回避できることが分かっており、低年齢の子どもたちの多くがSNSアカウントを持っている。各州の訴状によると、メタ社はこの法律(児童オンラインプライバシー保護法)に故意に違反し、親に知らせたり許可を得ることなく子どものデータを収集したという。
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画像:Sergei Elagin / Shutterstock.com
(日刊サン 2023.10.25)