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【ハワイニュース】ワイキキのホテル業界、海面上昇法案に反対

海面上昇の懸念から、ホノルル市議会はワイキキの海岸線にあるホテルの検査と維持管理に関する規制強化を求める決議を行ったが、決議案はホテル経営者らの抵抗を招いており、最終的に、審議会のさらなる検討を待って決議案の採決は延期されたとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。

この決議案207が法案として採択されれば、ワイキキ特別区内の海岸線の土地に建設されたホテルは、法案採択後3年以内、その後4年ごとに構造検査を受けることが義務付けられる。

決議書には、「ワイキキ以外の地域にもオーシャンフロントのホテルはあるが、それらのホテルはワイキキのホテルの大半よりもずっと新しく、一般的により厳しい建築基準が適用されている」と記されている。また、「ワイキキの海岸線にあるホテルの所有者は、構造検査が行われるよう手配しなければならず、このセクションの要件を確実に遵守する責任があり、検査に関連するすべての費用を負担する」と結ばれている。

決議案はまた、免許を持つ建築家またはエンジニアに、「ホテルの主要な構造部分を含む、居住可能エリアと非居住可能エリアの目視検査を実施し、ホテルの構造状態の定性的評価を提供する」ことを要求している。

もし、構造上の問題が発見された場合、決議案207は、市の計画・許可担当ディレクターに、「遵守に関する期限と罰則を規定する」ことを認めることになる。

この決議案では、ワイキキの3万にのぼる客室を旅行者に提供していることを認識しながらも、海岸線近くの大きな建物を検査し、維持管理しなかった代償についても言及している。特に、2021624日にフロリダ州マイアミ郊外のサーフサイドで起きたシャンプレン・タワーズ・サウスの倒壊事故を挙げている。この事故で12階建てのコンドミニアムが部分的に崩壊し、98人が死亡したことを受け、フロリダ州議会は特定の建物に構造検査を義務付ける新法を制定した。

決議案207の提出者であるトミー・ウォーターズ議長は、18日(水)の審議会経営委員会で、「海面上昇は遠い脅威ではなく、今まさに起こっていることであり、ワイキキのような影響を受ける可能性のある地域が安全に繁栄し続けるよう、具体的な対策を講じなければならない」と述べた。

一方、ホテル関係者は、こうした構造検査はすでに多くのホテルで実施されていることと重複しており、ホテル側は不要な検査のコストを負担することになり、政府各所への申請といった追加のお役所仕事を強いられるとして、この決議案に反対している。

ハワイ大学マノア校の地質学者で気候科学者であるチップ・フレッチャー氏によると、ワイキキおよびホノルル市街地の地下では海水の上昇が起こっており、海水は日々、島中の人工構造物や埋設された公共施設に圧倒的な腐食効果をもたらしているという。

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画像:Shutterstock.com

 

(日刊サン 2023.10.24)

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