ホノルル鉄道 混迷さらに
2012年に始まったホノルル鉄道プロジェクトの当初予算は52億ドルだったが、2020年現在、その予算は倍近くなり100億ドルを超えるだろうとホノルル・スタ・アドバタイザーが伝えている。
ホノルル高速交通公社の委員会に提出された資料によると、直近の予算発表からだけでも8億3,200万ドル上がっているという。
ダウンタウン周辺の上下水道などの管を移動させる費用や駅の建設変更などが原因で、新型コロナウィルスによる工事の大幅な遅れも一因だとされる。
完成予定時期もさらに遅れ、2026年6月から2026年10月と発表された。
公社の財政委員会では、全会一致でプロジェクトの最終段階を民間との共同プロジェクトで行なうといういわゆるP3プロジェクトを中止するようCEOのアンドリュー・ロビンズ氏に勧告することを決議した。
ロビンスによるとP3プロジェクトを中止すれば、さらなる費用の増加と工事の遅れを生むかもしれないとしている。
カーク・コールドウェル市長は9月に、ホノルル市としてはP3プロジェクトに参加しないと発表している。
P3プロジェクトは民間企業による入札のために、入札価格が予算以内で収まるかどうか不明だからだ。
ホノルル市がこの鉄道プロジェクトを決められた予算以内で完成させることができるというときちんとした予算計画を提出するまでは、連邦政府からの補助金は差し止め状態だ。
その期限は12月31日で、期限までに予算計画を提出できなければ補助金2億5,000万ドルも失うことになる危険がある状況の中で、最終工事の進め方も決定していない。
混迷は深まるばかりだ。
(日刊サン 2020.10.16)
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