【世界のこぼれ話】ゴッホ「ひまわり」にトマトスープを浴びせ 環境問題活動家2人が逮捕 英国
英国ロンドンにある国立美術館(National Gallery)で14日(金)、展示されているヴィンセント・ヴァン・ゴッホの著名な絵画「ひまわり」に缶入りトマトスープの中身をかけたとして2人組みが逮捕されたとフォックス・ニュースが伝えている。
ロンドン警視庁は、犯罪的損害賠償と加重不法侵入の疑いで2人を逮捕したと発表した。
逮捕された2人は、気候変動に人々の関心を集めるために宣伝活動を行う活動家グループ「ジャスト・ストップ・オイル(Just Stop Oil)」の支持者だった。
最近では、石油使用への反対表明のために著名な絵画にダメージを与えるという行動が立て続けに起こっている。
2人は「ひまわり」の前で上着を脱ぎ、「Just Stop Oil」と書かれたTシャツ姿でトマトスープの中身をかけたが、絵画はガラスケースに入って展示されていたために被害はなかったと美術館が発表している。
この事件の後、「ジャスト・ストップ・オイル」は次のような声明を発表している。
「この美術館には、人間の創造性と素晴らしさが展示されている。しかし、我々の遺産は、政府が気候変動や生活費高騰などの危機に対して行動を起こさないことによって破壊されている。市民社会の崩壊に直面しているときに、芸術に何の意味があるのか? 芸術を楽しむことができる世界で暮らしたいのなら、アートの権威、芸術家、そして芸術を愛する一般市民は立ち上がり、市民による反対運動に踏み出すべきだ」
今年6月には、同グループの別のメンバー2人が、ロンドンの別の美術館に展示されているゴッホの「満開の桃の木(Peach Trees in Blossom)」の額縁に瞬間接着剤で自分たちの手を接着させるという事件が起こっている。
その際グループは、「芸術品がこのような保護を受け、一般の関心を集める一方で、エチオピア、ソマリア、インド、パキスタン、アメリカ、オーストラリアなどでは、今まさに気候変動で苦しんでいる人々が無視され、放置されている。大切なのはどちらなのか? この絵か、それとも未来か?」とコメントしている。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.10.14)
シェアする