ハワイの子供たちの健康が危ない
ハワイ州の子供たちの肥満率が高くなっているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
専門家によると、大きな理由のひとつは新型コロナウィルス感染によって学校が閉鎖され、外でスポーツをすることがなくなってしまったからだという。
ロバート・ウッド・ジョンソン財団が今月13日に発表した報告書によると、2019年7月から2020年8月までの12カ月間でハワイの子供たちの肥満率は40%増加し、10歳から17歳までの子供たちのうち15.5%の子供は肥満とされた。
この数値は全国の州で25位となる。
医療関係者によると、パンデミックで学校が閉鎖されることで社会から切り離され、学校給食が提供されないことで栄養が偏ってしまい、状況はさらに悪くなってきているという。
ワイアナエ・コースト総合ヘルスセンターの小児科医であるメイ・オキヒロ医師は「多くの子供たちはこの1年半の間に、20ポンドから60ポンド(およそ9キロから27キロ)体重が増加しました。人々は驚きますが、診察にくる子供たちを見ている私たちにとっては、ごく普通の出来事なのです」と述べている。
「今回の全国調査の数値は、ハワイで長い間起こってきていることを裏付けています。子供たちの肥満率は確実に上昇してきています。パンデミックで学校が閉鎖になってから特にその傾向が顕著になりました。子供たちは学校に行けずに家の中でじっとして、運動もほとんどしません。学校に歩いて行くこともなく、教室に歩いて行くこともなく、ほとんど全てのスポーツは禁止されました。体を動かしていなかったのです」
毎日の生活パターンや睡眠習慣が変わることで、健康に大きな問題を引き起こす可能性があることを示している。
また、パンデミック中には給食という健康的な食事がなかったために偏った栄養摂取による体重増加も見られるという。
ハワイ・フードバンクの代表であるエイミー・マービン氏は「本当に大きな問題です。ハワイの子供4人のうち1人は十分な食事を得られていないのです。およそ81,000人の子供たちです。信じられないような数字ですが、実際に今年ハワイの子供たちが十分な食事を得られなかった率は全国で第2位となっています」と述べている。
その対策としてフードバンクでは、州内の学校に子供たちがアクセスできる食料保管場所を設置することを検討しているという。
「子供たちがそこに行けば健康的なスナックを手に入れることができ、学校給食のない週末前には家族のために食料を持って帰ることができるような場所を設置したいと考えています。1人の子供がお腹を空かせている場合には、その兄弟姉妹や他の家族もお腹を空かせていることが多いのです。このような状況は広く、そして長期間起こっているもので、早急に改善する必要がある深刻な問題です」
オキヒロ医師は「子供が肥満になると、高血圧や糖尿病を引き起こし、合併症につながります。そしてそれはメンタルヘルスにも大きな影響を及ぼすのです。子供たちの中に不安や鬱の症状を見ることが増加しています。それでさらに健康的な食事から遠のいてしまいます」と述べている。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.10.14)
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