マウイ島の中でも西マウイのホテルは満室状態だが、山火事の避難者や救援組織のスタッフが重なり、旅行者向けのホテル業務が停止もしくは縮小されるなどして、チップに頼っているホテル従業員の収入に影響が出ているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
900人以上のマウイ島のホテルや飲食業、医療関係の労働者を代表する「ユナイト・ヒア・ローカル5」のケイド・ワタナベ氏によると、西マウイにあるホテルはバーを閉鎖し、代わりに「連邦緊急事態管理庁(FEMA)スタッフにコーヒーと限られた飲み物を午前中のみ提供している」という。この業務変更は、従業員の労働時間を減らすことを意味する。「チップの減少に伴い、6時間勤務していても、それほど多くの収入を得られていない」と同氏は指摘する。
8日(日)、観光再開の第一弾として、カパルアの「リッツ・カールトン・マウイ」から「カハナ・ヴィラ」まで広がるリゾートエリアで旅行者の受け入れがスタートしたが、実際に旅行者の数は多くないという。
ハワイ州観光局理事会メンバーであり、ハワイ宿泊観光協会のCEO兼会長であるムフィ・ハネマン氏によると、観光業に依存しているマウイ島全域のホテルは、どの地域が旅行者を受け入れているかについての誤解が長引くことに苦しみ続けており、これは2018年にハワイ島でキラウエア火山が噴火した際に起こったことと似ていると語っている。
ハネマン氏は、ラハイナの山火事のインパクトにより世間の注目が西マウイに集中していることは当然だとしながらも、「しかし私たちは、『今はマウイに来る時期ではない。マウイは完全に閉鎖されている』という認識と戦い続けている。そのようなことはない。南マウイ、アップカントリー、ハナはオープンしている」と語っている。
また、火事の被災者や観光に反対する人たちから反発を受けるのではないかと心配する旅行者もいるかもしれないが、この認識は間違っており、マウイ島全体に経済的な波及効果をもたらしている、とハネマン氏は言う。「人々は混乱している。特に南マウイでは、ゴルフ場やレストラン、宿泊施設、中小企業はすべて営業している」
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.10.13)