農業用水の供給で農家と水道会社がバトル マウイ島
「E ho’i ka wai」(水を返して)とマウイ島ワイルク地区の農家が訴えている。
タロイモ農家のロバート・ストリートさんは10月11日、突然農地に水が流れてこないことに気がついた。
翌日朝、車で半マイル先にある水道パイプのチェックに行ってみると、パイプの開閉をするバルブには鎖がまかれて鍵が設置されていた。
このパイプはワイルク水道会社のもので、ワイルク川を水源とする水道の流れを管理している。
ストリートさんは「本当に頭に来て、水源を管轄する州委員会にすぐに連絡をして、この件についてなんとかするように要求しました。この間違いを正してもらわなくてはならないからです」と述べている。
周辺のタロイモ農家と水道会社は20年近く、それぞれの立場から水源の権利を主張していた。
水道会社はタロイモ農家が(水道会社を利用しないで)水源から農地まで直接水を利用していることを許可しようとしない一方で、タロイモ農家側は伝統的に水源の水を利用して農業を営んできた権利を主張していた。
今年6月、州水道委員会は周辺のタロイモ農家には伝統的かつ慣習的に水源から農業用水をとる権利があるという裁定を下しており、タロイモ農地への毎日の水の供給問題は解決したはずだった。
それなのに突然、なんの説明もなく水の供給が止まってしまったのだ。
ワイカプでタロイモ栽培をしているホクアオ・ペラグリーノさんは、周辺の農家とともに「Hui O Na Wai Eha」というグループを組織しており、20年間水道会社と戦ってきた人物だ。
「どうしてこうなるのかわかりません。けれども本当に悲しいことです。人々の生活がかかっているのです。オハナを守っていかなければなりません」
州の水源管理局の副局長であるカレオ・マヌエル氏は委員会として問題を調査すると声明を発表している。
ストリートさんは水道会社に対して州委員会の命令に従うように訴えている。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.10.13)
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