【ハワイニュース】道路舗装の材料にリサイクル・プラスティック利用 エヴァ・ビーチで試験プログラム
ハワイ州運輸局は11日(火)からエヴァ・ビーチのフォート・ウィーヴァー・ロードの道路舗装工事を開始した。舗装に使われる材料はリサイクルされたプラスティックとアスファルトを混合したものだとKHON2が伝えている。
これは2年間の試験的に行われるプログラムで、一見すると通常のアスファルトと変わらないという。
担当するグレース・パシフィック社のジェロード・シュレック氏は「見た目も匂いもアスファルトの様です。アスファルトより容量が小さいのですが、同様の機能があります。今回の試験的な使用で、時間の経過とともにアスファルトと同じだけの持続的効果があるかどうかが判明します」と述べている。
今回キラハ・ストリートからコーモラント・アベニューまでの区間のフォート・ウィーヴァー・ロードの道路舗装に用いられるプラスティック材料は1,950トンで、ペットボトルに換算すると195,000本分になるという。
州運輸局のエド・スニッフェン副局長は「道路舗装にプラスティックを利用するというのは新しいテクノロジーではありませんが、ハワイでは初の試みとなります」とコメントしている。
ハワイ大学はこの試験プログラムの後、道路の構造的状態を検査し、ハワイ・パシフィック大学が環境に与える影響があるかどうかを検証することになっている。
ハワイ・パシフィック大学のジェニファー・リンチ博士は「最も重要なことは、この道路実験がハワイで発生するマイクロプラスティックやプラスティックゴミ汚染に対する解決策として実用化できるかどうかを検証する素晴らしい機会となるということです」と述べている。
今回の道路舗装で使用されるプラスティックはアメリカ本土から持ち込まれる。もしこの実験が成功したらハワイで排出されるプラスティック素材を利用して他の地域でも活用することが期待されている。
エヴァ・ビーチ選出のカート・フェヴェラ上院議員は次のように語っている。
「もし今回のプロジェクトが実用化できるのであれば、私たちは州内に工場を建設することになります。州内で材料を製造するのです。これは多くの雇用の創出にもつながります。今回のプログラムは、我々の環境が安全なものであるということを確認するというためだけでなく、ハワイの住民が家族を養いながらハワイで暮らし続けるために必要な雇用を確保するという意味もあるのです」
ハワイ・パシフィック大学ではすでに試験を開始しており、通常のアスファルト道路と比較してプラスティック素材混合道路からマイクロプラスティックの排出に増加は見られていないという。
試験プログラムの結果が同様であれば、今後は海からプラスティックゴミを回収して道路舗装に利用することも不可能ではなくなる。
「ハワイの住民が使ったプラスティックゴミも道路舗装でリサイクルできるようになるかもしれません。ハワイの環境のためにも、ハワイの経済のためにも役立つようになります」とリンチ博士は述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.10.12)