FBIは、高齢者を標的とした詐欺について警告している。詐欺師は、技術専門家または銀行や政府関係者を装い、外国のハッカーによる口座侵害が行われていると話すという。同様の手口によってハワイでも多くの被害が出ているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
「ファントム・ハッカー」と名付けられたこの新手の詐欺は、電話やテキストメッセージ、電子メール、ウェブ閲覧時のポップアップ・ウィンドウを使って人々に接触し、外国のハッカーが金融口座に侵入したと信じ込ませようとする。FBIによると、詐欺師はその後、被害者の資産を「保護」するため、すぐに米国政府の口座に送金するよう指示するという。
インターネット犯罪苦情センター(IC3)の2022年高齢者詐欺報告書によると、2022年に高齢者から報告された詐欺被害総額は2021年から84%も増加している。FBIの報告書によると、昨年アメリカ全国で60歳以上の被害者が報告した被害総額は8万8000件以上、31億ドル(約4600億円)に上った。また、ハワイでは、60歳以上の住民399人が標的にされ、1630万ドル(約24億円)以上もの被害が出ている。
FBIホノルル支局の担当特別捜査官であるスティーブン・メリル氏はニュースリリースで、冷淡で計算高いこれらの詐欺師は、財産に対するリスクに敏感な高齢者を狙っていると指摘している。「犯罪者は被害者の注意深さを逆手に取っている。この憂慮すべき新手の詐欺について一般の人々に啓蒙することで、詐欺師たちの先手を打ち、これ以上の被害を未然に防ぎたい」
FBIは一般市民に対し、心当たりのないポップアップ・ウィンドウやテキストメッセージで送られてくるリンク、電子メールのリンクや添付ファイルをクリックしたり、電話番号に連絡しないよう呼びかけている。また、連絡をしてきた見知らぬ個人の要求に応じてソフトウェアをダウンロードしたり、見知らぬ人物にコンピューターを操作させないよう警告している。
米司法省によると、連邦当局が一般市民に対して電信送金や暗号通貨、ギフト/プリペイドカードで政府に送金するよう要求することはないという。
FBIは被害者に対し、詐欺行為や疑わしい行為をIC3に報告するよう求めている。ウェブサイトにて、連絡を取ってきた人物や会社の名前、ウェブサイト、電子メール、電話番号など、使用された通信手段を記入することができる。
IC3のウェブサイトはこちら。
https://www.ic3.gov/
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.10.9)