家庭内暴力が増加 規制緩和の中で表面化
新型コロナウィルス感染数が下降して社会の中で規制緩和の動きが高まる中、家庭内暴力が表面化してくる可能性について支援団体が憂慮しているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
規制が緩和されることにより、今まで家庭内で孤立していた被害者が支援を求めてくるだろうと見られている。
ドメスティック・バイオレンス・アクション・センターの代表であるナンシー・クリードマン氏は「被害者たちは外に出る機会を持つことで選択肢が与えられるのです。他の家族に相談したりして、『これ以上こんな風に生きることはできない』『こんな恐怖の中で生きていたくない』と思うようになるのです」と述べている。
ホノルル警察署によると、2020年1月1日から9月23日の間に5,258件の家庭内暴力の通報があったが、今年の同期間では6,136件と16%の増加となっている。
この数字にクリードマン氏は全く驚かないという。
「私たちは本当に忙しい状況なのです。ヘルプラインへの電話相談は4倍になりました」
家庭内暴力の被害者を保護する団体「チャイルド&ファミリー・サービス」でも「昨年ハワイ州がロックダウンとなった時、ヘルプラインへの電話相談は24%も減少しました。しかし今、様々な規制が緩和されて社会が再開しています。それとともに緊急ホットラインへの電話は3倍に増加しています」と述べている。
代表のロバート・ボヤック氏によると「多くのケースは非常に深刻です。緊急ホットラインでの電話の38%は病院からの通報です。腕の骨が折れたりだとか、目の周りがアザで青黒くなっていたりとか、そういう状態で病院に運ばれてくるのです。被害者の中には自ら助けを求めようとしない人もいるので、もし誰かが急に家から出かけなくなったり、仕事を休んだり、家族の集まりに参加しなくなるなどの行動がある場合には注意が必要です」
また、長袖の服を着ていることにも注意すべきだという。
バヤック氏は「何かおかしいなと思ったら、話を聞いてあげてください。安全に相談できるところがあることを伝えてあげてください」と述べている。
被害者のための相談窓口やプログラムはこちらから。
また、支援を求める加害者の相談は808-681-3500へ。
写真:Shutterstock
(日刊サン 2021.10.06)
シェアする