自転車シェアリングBIKI 今夏好調
自転車シェアリングのBIKIを経営しているビキシェア・ハワイのエグゼクティブ・ディレクターのトッド・ボランガー氏は4日、この夏の自転車利用数が非常に好調だったために経営不安が解消されたと会見で発表したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
今年の夏ハワイにはたくさんの旅行客が本土から訪れ、レンタカーが不足している状況の中で、多くの人がBIKIの自転車を利用したという。
BIKIは、新型コロナによる観光客の渡航が激減するなどの後退要素もあったものの、4年間の営業で430万回の利用を達成した。
ボランガー氏は「BIKIの経営は安定しました。この夏の大幅な利用増加で、それ以前の12カ月間の損失が利益へと変わりました。資本をすべて回収できたわけではありませんが、少なくとも損失が続くという状況は終わりました。今後の成長を楽しみにしています」と述べている。
BIKIを運営する非営利団体ビキシェア・ハワイは昨年、パンデミックで利用台数が50%も落ち込むという打撃に見舞われ、7カ所の駐輪場を閉鎖したりサービスの縮小などの経費削減を行っていたが、先月にはチャイナタウンとアラモアナにある2カ所の駐輪場でのサービスを開始した。
コールセンターの営業時間も毎日午前8時から午後7時までとなり、年末までにはさらに駐輪場を増加する予定だという。
現時点でBIKIの駐輪場は130カ所だが、5カ所を追加する予定だ。
ビキシェア・ハワイはホノルル市とハワイ州とさらに協力を強化し、長期にわたる運営と安定した会社経営を図っていくとしている。
一方、ハワイへの渡航者数が伸びない現状とともに、世界的供給不足のために自転車本体や修理部品の確保が困難になっているという課題もある。
また、仕事でBIKIを利用していた人々も在宅ワークの増加のために自転車を利用しなくなっている。
さらに、大スポンサーであった全日空がビキシェアから引き上げたため、ビキシェアでは新しいスポンサーを受け付ける方針だという。
4年前ビキシェア設立時の大きな目標は、街中での短いが頻繁な自動車運転を減らして石油に対する依存度を軽減するというもので、自動車以外の移動手段の提供はホノルル市の気候問題実行計画の一部でもある。
ボランガー氏によると、4年間のBIKIの自転車利用で、950万ポンド分の炭素排出を削減し、その量はオアフ島で1300世帯の住宅が1年間で利用する電気量に相当するという。
「自動車を利用するのではなくBIKIの自転車に乗ることは、最も効率的に温室効果ガスの排出を削減することになるのです」
ビキシェアは、全国の大都市で最も利用されている自転車シェアシステムのランキングでニューヨークやサンフランシスコなどに続き第6位に選ばれている。
写真:my_ photos _ Shutterstock
(日刊サン 2021.10.05)
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