キラウエア火山噴火による火山性スモッグ拡散 ハワイ島
先月29日に確認されたキラウエア火山の噴火が続く中、火山性スモッグ「ヴォグ」が、ハワイ島のサウスポイント、オーシャンビュー、コナ地区などに拡散し始めているとKHON2が報じている。
ヴォグは、火山の噴火による二酸化硫黄が大気中の太陽光や粒子、その他のガスと混合した際に生成される火山性スモッグで、吸引すると呼吸器系に影響を及ぼす可能性がある。また、雨の減少など、気候にも多くの影響があるという。
ハワイ大学マノア校(UH)大気科学研究科助教授のアリソン・ニュージェント博士は、「ヴォグの放出量が多い日は、ハワイ島では特に、パハラ近くのティラピアにある風下地域で降雨量が減少する。放出量の少ない日と比較すると、1日あたりの降雨量は平均約8ミリメートル少ない。ヴォグは雲と降水プロセスに影響を及ぼし、雨を形成する時間を長引かせる」と説明した。
9月29日に米地質調査所ハワイ火山観測所(HVO)がキラウエア火山の噴火を確認して以来、ハレマウマウ・クレーター内に形成された溶岩湖は拡大し続けている。溶岩は現在も複数の噴出口から噴出し続けており、HVOによると、溶岩湖の深さはこれまでに89フィート(27メートル)上昇し、10月2日からは約1メートル以上の上昇が確認されている。現在の噴火状況や火山アラートについてはhttps://www.usgs.gov/volcanoes/kilauea で確認することができる。また、U Hのウェブサイトhttp://mkwc.ifa.hawaii.edu/vmap/ では、ヴォグの拡散状況をリアルタイムで伝えている。
写真:USGS
(日刊サン 2021.10.04)
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