キラウエア火山 29日午後に噴火
米国地質調査所ハワイ火山観測所が、29日(水曜)午後3時42分にキラウエア火山のハレマウマウ・クレーターで噴火があったことを確認したとKHONが伝えている。
観測所によると、3時20分ごろにはキラウエア火山山頂に設置されたウェブカメラが溶岩が赤く燃え上がり膨らんでいく様子をとらえており、山頂のカルデラで噴火が始まったことを示しているという。
現時点で噴火は山頂のハレマウマウ・クレーター内におさまっており、外に流れ出すことはないと見られているため、一般への危害となることはないとされている。
ハワイ郡報道官のサイラス・ジョナサン氏は「現時点で住民が危険にさらされていることはありません。キラウエア火山国立公園はオープンしています。ただし、公園に行かれる場合には十分に注意してください。呼吸器系に疾患のある方は、できるだけ火口から離れてください」と注意を呼びかけている。
国立気象サービス(NWS)によると、付近を飛行したパイロットにより、ペレの髪として知られている火山ガラス(溶岩が急激に冷却して形成されるもので黒いガラスのように見える)が形成されているのが確認されたという。
「ペレの髪」は噴火の間中クレーターの周囲で形成され続ける。
また、旅行客と住民に対して、火口から放出される火山ガスに十分注意をし、できるだけ吸入を避けるようにと伝えている。
火山観測所ではキラウエア火山に対する注意レベルをオレンジ(注意)から赤(警告)に上げている。
キラウエア火山は2018年に大きな噴火をして、数百人の近隣住民が避難を強いられた、周辺の住宅が火災の被害にあった。
今年に入り、ハワイ郡議会では復興プロジェクトのためにおよそ8,400万ドルを予算に盛り込むことを可決しており、連邦政府からも火山噴火により住宅を失った人々に対し、23万ドルを上限に支援が行われている。
山頂のウェブカメラが捉えているキラウエア火山の噴火の様子はこちらから見ることができる。
写真: USGS
(日刊サン 2021.09.30)
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