海洋ゴミ清掃 30日間で62トンを集め帰還
国立海洋大気庁(NOAA)はハワイの非営利団体「パパハナウモクアケア海洋ゴミプロジェクト」とともに30日間にわたり太平洋から海洋ゴミを集め、先週ハワイに帰還したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
今回のプロジェクトでは科学者の調査データ収集とともに、重さにして124,000ポンド(およそ62トン)の海洋ゴミがダイバーたちによって太平洋の離島や環礁の海岸線、サンゴ礁の浅瀬から集められた。
NOAA太平洋諸島水産科学センターのジェームズ・モリオカ氏によると、今回のプロジェクトの最中に、絶滅危惧種に指定されているハワイアンモンクアザラシが胴体に漁網が絡まって動けなくなっていたところを発見し、助けることに成功したという。
VH 26という名札をつけられていたアザラシは5歳の雌で、この夏にハワイで出産をしたばかりだった。
「ハワイアンモンクアザラシのような絶滅危惧種の雌は、個体数を増やしていくために欠かせない存在です。今回1頭の雌を救助できたことで、これから何世代ものアザラシが救われたことになります」
4月に行われた海洋ゴミ清掃でもアザラシの雌の首に魚網が絡まっていたのを救助しており、その時には94,400ポンド(およそ47トン)のゴミが集められていた。
流された漁網や漁業用具、捨てられたプラスティックゴミが太平洋の海の流れに乗って離島の海岸線に打ち上げられている。
海のブイや浮き輪、飲料ボトルやキャップ、タバコのライターなど様々なものがあるという。
「今回の清掃で62トンの海洋ゴミを集めることができましたが、これは氷山の一角でしかありません。地球規模で何らかの対策が行われない限り、野生生物を守るために海洋ゴミ清掃活動を続ける必要があります」とモリカワ氏は述べている。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.09.28)
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