8月8日(火)のマウイ島での大規模な山火事災害以来、ハワイ住民の間では山火事の可能性を懸念する声が上がっている。とくにオアフ島の西側では乾燥が進み、自然火災のリスクが上がっているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
オアフ島西部ワイアナエの海岸線と渓谷は、乾燥しており、燃えやすい外来植物が豊富なため、1平方マイルあたりの発火回数が多く、要注意地域となっている。しかし、州森林野生生物局の森林保護官であるマイク・ウォーカー氏によると、反対側のイースト・ホノルルも脆弱だという。マカプウ・ポイント・ライトハウス・トレイル脇のカイウィ・ステート・シーニック・ショアラインや、ココ・クレーター、ダイヤモンド・ヘッドの茶色くなった斜面なども火災が発生しやすい場所となっている。
「ハワイ・ワイルドファイヤー」がまとめた地図によると、ここ数年の発火はカイウィ、ハワイカイ・ゴルフコース付近、カミロヌイとハハイオネ渓谷で起きている。また、ワヒアワ、ワイピオ、クニアなどのオアフ島中央部や、オアフ島ノースショア沿いでも発火が起きている。
2021年の地域山火事防止計画(Community Wildfire Protection Plan)によると、ノースショアは人為的な発火が頻発し、風が強く季節的に乾燥しやすく、急峻でアクセスしにくい地形であるため、危険度が高いとされている。ノースショアでは山火事が繰り返し問題となっており、とくにワヒアワとワイアルアの間に集中しているという。また、モクレイアでは火災が発生しやすい草原が広がっており、アクセスが限られているため、緊急時の対応に時間がかかる可能性がある。
ウォーカー氏によると、ハワイの火災の99%は人為的なものであり、そのほとんどは落雷などの自然現象によるものではないという。機材による偶発的な火花、乾燥した草に高温の排気ガスが当たる、子どもたちがライターで遊ぶ、キャンプファイヤー、違法花火の蔓延、放火などが原因となっている。モクレイアで2017年に起きた火災は、乾燥した草の上でトラックをアイドリングさせたことが原因だった。同氏は、「発火の大部分は人為的なものであり、いずれにせよ防げるものだ」と語っている。
21日(木)に発表された最新の米国干ばつモニター地図によると、ハワイ諸島の81%以上が中程度から深刻な干ばつに見舞われている。なお、干ばつは12月まで続くと予想されている。
シェアする
画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.9.26)