あおり運転をしたのは死亡した男性 刺した男性を不起訴
今年3月、H1フリーウェイであおり運転の末にケンカとなり50歳の男性が刺殺された事件で、ホノルル検察局は刺殺した男性に対する起訴を行わない方針であることを発表したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ホノルル検察長のスティーブン・アルム氏は声明で「この事件について目撃者の証言などをもとに慎重な検討をした結果、死亡したジェラルド・ワイアラエさんの攻撃的で挑発的な行動が最初の引き金となり、事件の原因であったという結論に至りました。刺した男性の行動は自己防衛であり、過剰防衛であったという十分な証拠がありません」と述べている。
事件は3月7日にクニア周辺で起こった。
午前3時ごろ、2人の男性がH1フリーウェイ上で運転しながら揉めている様子が目撃されている。
その後、2人は路肩に車を駐車して車から降りて暴力的なケンカとなりジェラルド・ワイアラエさんはナイフで刺された。
刺されたワイアラエさんは車に戻り、車を運転し始めたがすぐに意識を失ったという。
救急車が到着した時にワイアラエさんは運転席で意識不明の重体で、すぐに病院に搬送されたが病院で死亡が確認された。
ワイアラエさんを刺した男性はその場から逃走しており、警察は傷害致死事件として捜査を開始したが、その男性はすでに州外へ出た後でハワイには戻っていない。
ホノルル警察はこの事件を検察局へ送検したが、今回検察側は不起訴を決めた。
目撃証言によると、ワイアラエさんは事件当時に多くのアルコールを飲んで酩酊状態にあり、フリーウェイ上であおり運転をして、前を走る男性の車に後ろからわざとぶつかり、男性を追いかけ回したという。
また、ワイアラエさんには、なりすまし詐欺、個人情報の不法入手、窃盗、偽造身分証明書の製造などを含め複数の犯罪行為に関与した罪で10年の懲役判決を受けていた過去がある。
また、家庭内暴力や器物破損、飲酒運転などの犯罪歴もあった。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.09.23)
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